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【ロック牧師 関野和寛のアメリカ奮闘記】第1回 空気は読まない、時代の波にも乗らない

日本人かつキリスト教会の牧師である私は今、世界で一番ホットで危険な場所にいる。新型コロナウイルス感染者数が600万人と世界最悪のアメリカ、しかも警察による黒人市民殺害で大暴動が起きたミネアポリスだ。その街の病院のコロナ病棟で、患者の心のケアをする牧師の仕事を始めている。

なんとリスクの高いことかと思うであろう。ちなみに今の私には定住所がない。希望したアパートが開くまでエアービーなどで借宿を転々としている。洗濯機もないからホームレスの人々に混ざってコインランドリーで洗濯をしている。収入は日本にいる時の半分もない。ハイリスクな上に超不便な生活だ。だが、今、とても幸せを感じている。

それは前例のない中で、時代の逆風の中で自分の居場所を見出したからだ。コロナ患者は究極の不安の中にいながら、感染予防のため家族にも会うことは許されない。私はその孤独に寄り添い、家族にメッセージを届けるのだ。どんなにAIやアルゴリズムが進化したとしても、暗い病室でGoogle先生と話しながら死にたいと思う者はいないであろう。社会的に見て何もできない、日本では怪しささえ持たれる宗教者の、最後にして最大の居場所だ。

コロナ禍の中、すべてをコロナのせいにしてしまうのは簡単だ。だがこれは人類の必然、変化の時、前の生活には戻れない。人類はそれでも危機をサバイバルしてきた。

失望の溜息や言い訳はいくらでも出てくる。それもまた人間の姿。でも吐き出すだけ吐き出したら、思いっきり空気を吸い込もう。もう空気を読む時代なんてとっくに終わっている。「前へならえ」「右向け右」の時代はとっくに終わっている。満員電車に揺られ、パワハラ上司に気を遣う必要もない。今ある職業も学校の形態も、もう維持はできない。本来ならすでに消滅しているものの蜃気楼(しんきろう)を再生させるために生きる必要はない。今のあなたにしかできないことが絶対あるはずだ。

人間はこうやってサバイバルの度に弱者を切り捨て、豊かな者が生き残りやすい社会を再形成してきた。そして今度は新しい神、AI様が加わるのが時代の波なのだろう。そして、この波に乗れない人々が新しい神に管理される時代が来ようとしているかもしれない。だが、そこに本当の豊かさも幸せもありゃしない。新しいまだ見ぬ世界を最新のテクノロジーと人間の最強の弱さと不器用さを駆使し、そして隣の人に優しさをもって生きられるなら、そこにはきっとまだ見ぬ幸せがあると思う。不安を口から吐き出したら、空気も読まず、時代の波にも乗らず、あなたただけの道を今日も生きよう。住所不定の日本人牧師がアメリカのコロナ病棟から帰宅し、ひとかけら30円の冷凍ピザを食べながら書いているこの記事が、あなたに届く時代なんだから。

今日もアメリカからゴッドブレス!

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