社会

「紛争変革」による平和構築に尽力したメノナイトのジョン・ポール・レデラック氏に庭野平和賞

 

非暴力と平和主義を掲げるメノナイトのクリスチャンで、米ノートルダム大学(クロック国際平和研究所国際平和構築学)名誉教授のジョン・ポール・レデラック氏(63)が18日、第36回庭野平和賞に決まった。賞状と顕彰メダル、賞金2000万円が贈られる。贈呈式は5月8日、国際文化会館(東京都港区)で、レデラック氏による記念講演も行われる。

ジョン・ポール・レデラック氏(写真:庭野平和財団提供)

1955年、メノナイトの牧師家庭に生まれた。75~88年、メノナイト中央委員会や宣教委員会に属し、ベルギーやスペイン、中央アメリカで救済・平和活動に取り組んだ。80年に米べテル・カレッジ(歴史と平和学)を卒業。88年、コロラド大学大学院で社会学博士号を取得した。

90年代にはソマリア、北アイルランド、コロンビア、フィリピン、2000年代はタジキスタン、ネパールなど、武力紛争の激化する地域で調停や平和構築に尽力した

「紛争解決」に代わる「紛争変革」の理論を提唱。「紛争解決」では、対立や衝突といった問題の事象に焦点を当てるが、「紛争変革」は、問題の背景にある人間関係や社会の状況も視野に入れ、対話による相互理解を促進して、真の和解を目指す独自のアプローチを取る。

また「紛争解決」では、コンフリクト(紛争、対立)を異常と捉えるが、「紛争変革」では、人間関係でごく自然に生じるものと考え、それを機に、公正や正義にかなうより良い状況に変革する営みこそ平和だと考える。

レデラック氏はこの理論を生かし、対立する両者の文化的・社会的背景を尊重しながら、暴力や破綻を防ぎつつ、対話の枠組みを築き、建設的な仕組みづくりにつなげていった。同時に、紛争地域で、市民や政府関係者、反政府勢力指導者まで幅広い層を対象にした平和構築トレーニングや和解プログラムを35カ国で主導してきた。

一方、米ノートルダム大学クロック国際平和研究所(インディアナ州)や東部メノナイト大学(バージニア州)の教授として人材育成にも注力してきた。オックスフォード大学やハーバード大学、スペインやグアテマラの大学でも平和学や紛争学の講義を受け持ち、世界各地で後進の育成に努めてきた。

メノナイト中央委員会で国際調停部門の部長も務め、現在、慈善団体「ヒューマニティ・ユナイテッド」の上級研究員。コロンビア真実和解委員会の諮問委員にも選出されている。

24点に及ぶ著書は十数カ国語に翻訳され、日本でも『敵対から共生へ―平和づくりの実践ガイド』(ヨベル、2010年)が刊行されている。

2002年、アメリカ心理学会による「モートン・ドイツ紛争解決賞」、06年、ポリテクニカル大学(ニカラグア)の「マーティン・ルーサー・キングJr.賞」を受賞。14年には、カナダのセント・ポール大学から名誉博士号が授与されている。

レデラック氏は今回の受賞について、「私たちの愛する地球家族が、憎しみ、分裂、そして排除を超えて、本当の癒やしをもたらす絆(きずな)を創(つく)るための大きな励ましを与えてくださいます」と言葉を寄せている。

庭野平和賞は、庭野平和財団(庭野浩士理事長、東京都新宿区)により、宗教的精神に基づく世界平和の推進に顕著な功績をあげた個人や団体に贈られる。世界の識者600人が推薦した候補者の中から、アン・ジェウン委員長(韓国YMCA評議会理事長)をはじめとする庭野平和賞委員会の審査を経て選出される。

第1回の83年にはカトリック大司教のヘルダー・ペソア・カマラ氏、86年に世界教会協議会(WCC)元総幹事のフィリップ・アルフレッド・ポッター氏、94年にカトリック枢機卿のパウロ・エヴァリスト・アルンス氏、2017年にはルーテル世界連盟(LWF)議長のムニブ・A・ユナン氏など、キリスト教関係者の受賞も多い。

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