ミャンマーで国軍クーデターへの抗議デモ続く

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ミャンマーには、1962年から2011年まで軍事政権が国を支配し、恐怖と残虐行為によって自分たちの絶対的権力を誇示していたが、ノーベル平和賞受賞者で元政治犯のアウンサンスーチー氏(75)が率いる国民民主連盟(NLD)が選挙で圧勝し、ミャンマー初の文民政府が誕生した。しかし2月1日、軍営ニュース放送局は、ミンアウンフライン最高司令官(64)=写真=が国家の権力を掌握した、と発表した。

国軍(正式名:タッマドゥ)は、2020年11月の総選挙で大規模な不正投票があったと主張することにより、政権奪取を正当化した。この総選挙ではスーチー氏率いるNLDが再び圧勝している。今回のクーデターは、支配力と尊敬を失いつつあると感じた最高司令官の力と個人的野心によって引き起こされた、とも見られている。

ミャンマーでは、クーデターへの抗議デモが続いており、インターネットサービスがほぼ完全に遮断され、国内各地に軍が展開した。同国北部ではデモ隊排除のため治安部隊が催涙弾などを発射し、当局が反クーデターデモへの対応をいっそう厳しくする、との懸念が強まっている。

同国北部ミッチーナでは送電網が停止されるといううわさに、それを阻止しようと人々が集まった。治安部隊は群衆に向けて催涙弾を発射し、続けて銃を撃った。現地メディアは、デモを取材していたジャーナリストが少なくとも5人拘束されたと報じ、その際に負傷した人の写真を公開した。

米、英、欧州連合(EU)の大使たちは、治安部隊に民間人を傷つけないよう求める共同声明を発表した。アントニオ・グテレス国連事務総長は声明で、平和的な集会の自由を最大限尊重し、デモ参加者に報復的な措置を取らないよう要請するとともに、「現地の状況を直接調べるため」、スイスの外交官で国連事務総長特使(ミャンマー担当)のクリスティーヌ・シュラネル・ブルゲナー氏のミャンマー訪問を認めるよう要請した。

ミンアウンフライン氏がどのような政権運営を行うかはなお不透明だ。ただ批評家や活動家、ジャーナリストを標的にした大規模な弾圧が行われるのでは、との懸念が広がっている。(CJC)

 






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