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エホバの証人女性が襲われたグアテマラとは

投稿日:2018年12月2日 更新日:

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中米グアテマラで11月4日未明(日本時間4日午後)、現地在住の「エホバの証人」の日本人女性二人の家に何者かが押し入った事件。亡くなったのは神奈川県茅ヶ崎市出身のフルート奏者、木本結梨香(きもと・ゆりか)さん(26)、重症を負ったのは茂呂澤(もろさわ)ちえさん(28)。

木本さんは4歳からピアノ、12歳からフルートを始め、神奈川県立総合高校を経て、上野学園大学短期大学部音楽科を首席で卒業。「第19回日本クラシック音楽コンクール全国大会」をはじめ、多くの大会に入選していた。

同じ大学を卒業しているピアノ教師で「エホバの証人」の母親のもとに育ち、中学生の時に「エホバの証人」としてバプテスマを受けた。そのバプテスマは、年に何回か行われる「大会」と呼ばれるイベント中に行われ、巨大なプールで全身を水に沈める浸礼のかたちをとる。3年ほど前に、信者仲間が布教でグアテマラに行くことになり、講師を務めていた母親の音楽教室を休んで同行していたという。街頭や個人宅を訪問してパンフレットを渡すなどの活動をしていた。

中央アメリカ北部に位置するグアテマラ共和国。北にメキシコと国境を接している、北アメリカ大陸のパナマ運河に近い小国だ。面積は北海道と四国を合わせたよりもやや大きく、人口は約1700万人。その中でエホバの証人は4万222人、会衆の数は902、バプテスマ数1783人という(2017年、公式ホームページより)。

グアテマラのサン・アンドレス・シェクル教会(写真:chensiyuan)

国民の半数が、植民地時代にスペイン人によって伝えられたカトリックの信仰を持ち、約40%はプロテスタント信者。近年ではプロテスタントの伸びが著しく、福音派とペンテコステ派が特に多い。

グアテマラは、コーヒーや砂糖、バナナなどの農産品が主要輸出産品で、国民の半数以上が1日2ドル以下で生活する貧困層と推定されている。一般の犯罪や暴力団による殺人で2008年には6232人が死亡。また、400人以上が誘拐された。2011年には毎日平均14人が殺害され、98%の犯人は処罰されないという。治安問題や麻薬密輸、社会的不平等などの多くの問題を抱えている。地方都市ではリンチが行われているほか、女性や子どもに対する暴力が多いという。

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雜賀信行(さいか・のぶゆき)

雜賀信行(さいか・のぶゆき)

「クリスチャン・プレス」編集長。カトリック八王子教会(東京都八王子市)会員。日本同盟基督教団・西大寺キリスト教会(岡山市)で受洗。1965年、兵庫県生まれ。関西学院大学社会学部卒業。90年代、いのちのことば社で「いのちのことば」「百万人の福音」の編集責任者を務め、新教出版社を経て、雜賀編集工房として独立。2001年からキリスト新聞社をはじめ、キリスト教出版社を中心に書籍や雑誌の編集を数百冊手がけてきた。著書に『人生が変わる聖書のことば60』(いのちのことば社)、『牧師夫人新島八重』『キリシタン黒田官兵衛』『宮沢賢治とクリスチャン』などがある。

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