キリスト教美術展2018 教派を超え、信仰を美術に

 

今年で42回を数える「キリスト教美術展」(主催:キリスト教美術協会)が日本基督教団・銀座教会 東京福音会センター(東京都中央区)で開催されている。8日まで。入場は無料。

キリスト教美術展展示会場=7月3日、銀座教会 東京福音会センター(東京都中央区)で

同展は、教派を超え、キリストへの思いを一つにした画家や彫刻家らが集まり、毎年1回のペースで開かれている。その目的は、美術を通しての伝道だ。決して大きな美術展ではないが、質の高いキリスト教美術の展覧会として毎回注目を集めている。

40点の出品作品は、聖書の話を題材にしたものか、自身の信仰を表すものだ。中には直接キリスト教を題材にしていない作品もあるが、それでもそこにはキリストに通じる愛や希望を感じさせられる。抽象画や具象画、油彩、水彩、日本画とさまざまな手法を用いた絵画、モザイク画、木版、彫刻、レリーフなど、充実した内容だ。

出品者は、賛助出品として田中忠雄と渡辺禎雄、特別出品として滝沢具幸と上條滝子、そして会員として五十嵐芳三、蝦名協子、大久保豊、太田久、竹内一、續橋守、友山智香子、中嶋明、中野耕司、早矢仕素子、松岡裕子、眞野眞理子、森田やすこ、招待出品として斉藤文乃、中城芳裕、林田滋、東浦哲也、宮地明人。

田中忠雄氏の「十字架降下」(左)と渡辺禎雄氏の版画「アダムとイヴ」

特に印象的なのは、田中忠雄氏(1903〜95)の「十字架降下」(76年)。西洋絵画ではよく題材にされるが、難しい構図のため、日本人がこの題材に取り組むことは珍しいという。さらにこの作品には、田中氏がいつも使う黄色・赤色・青色のうち赤色が入っていないことも注目されている。

また、渡辺禎雄氏(1913〜96)の版画「アダムとイヴ」(67年)も見ることができる。渡辺氏は「型染版画」の手法を用いて、自身の深い信仰に基づき、聖書を題材に作品を作り続けてきた。

2016年のキリスト教本屋大賞にノミネートされた上條滝子氏の『ふくいんしょえまき イエスさま』(キリスト教視聴覚センター)の原画も展示されている。同書は、イエス・キリストの生涯が絵巻になって綴(つづ)られるというユニークな本として評判を呼んだ。

キリスト教美術展は、カトリックとプロテスタントの2つの美術展の合同により、1973年に始まった。カトリックの佐々木松次郎氏(1897〜1973)とプロテスタントの田中氏が話し合い、それまでそれぞれが指導的な立場で開催してきた美術展を発展的に解消し、72年に設立したのがキリスト教美術協会だ。その翌年、第1回美術展がカトリック麹町教会(聖イグナチオ教会)地下ホールで開催された。74年から84年までは銀座の日動画廊。これは、画廊の初代社長である長谷川仁氏(1897〜1976)がクリスチャンであったためだ。その後、場所を2度ほど移し、2003年からは銀座教会 東京福音会センターでの開催が定着している。

開館時間は午前11時〜午後7時、最終日は午後6時まで。問い合わせは、銀座教会・東京福音会センター(電話:03・3561・2910)へ。

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