【クリスチャンビギナーズ】第3回 牧師ってどんなお仕事?

こんにちは。新米クリスチャンのカサイと申します。
お目に留めていただき、ありがとうございます。

私は2016年に受洗してクリスチャンになりました。両親がクリスチャンだったわけでもなく、キリスト教系の学校に通った経験もない私にとって、聖書や教会は未知の世界。本連載では、私自身が疑問に思うことや、クリスチャンではない友人によく聞かれることを題材にご紹介できたらいいなぁと思っています。(ご質問も募集中です!)

前回は「神父ってどんなお仕事?」というテーマでご紹介しましたが、今度は牧師のお仕事も気になる・・・。そこで今回は、「牧師ってどんなお仕事?」と題して、弊サイトでもおなじみ、“あっちゃん牧師”こと、日本基督教団深沢教会の主任牧師・齋藤篤さんにお話を伺いました。

Q.牧師を志すようになったのは、いつ頃ですか?

「洗礼を受けた、大学3年生の時です」

Q.クリスチャンになると決めた段階で、この道しかない!と思われたんですね。

「はい。それまでのいろいろな経験を通して、残りの人生を神様に献げたいと思うようになりました。もうひとつ、僕が洗礼を受けた2000年頃は就職氷河期といわれていた一方で、ITバブル期でもあり、すごくお金に振り回された時代でした。そんな中で、本当に人間を幸せにするのはお金だろうか?と疑問に感じていたことも、理由だったと思います」

※齋藤さんはかつてカルトと呼ばれる宗教に属していたことを公表されています。

Q.当時のことは私もよく覚えています。(最近になって厚労省が支援プランを打ち出すほど、大変な時代でした)洗礼を受けてから、すぐに神学校に進まれたんですか?

「洗礼を受けてから1年後、大学を卒業して神学校に入りました。ただ、お金がなかったので、昼間は大学職員として働きながら、夜間学校に通っていたんですよ」

Q.神学校にも夜間があるんですね。何年制ですか?

「4年制ですが、僕の場合は休学した時期を含めると5年間通いました」

※教団や教派によって神学校の在り方もさまざまです。中にはカトリックのように全寮制のところもあるのだとか。

Q. 働きながら5年間も…! 並々ならぬ情熱を感じます。神学校ではどんなことを学ぶのでしょう?

「聖書学や神学に加えて、教会の運営の仕方、子どもたちをどのように教育していくか、話の聞き方といった実践的なことも学びます。中でも大切なのは、聖書の読み方。後々教会でメッセージをする上で、聖書をきちんと読み解くことはとても重要です。ちょっと意外なところでは、日本の宗教観についても勉強しました」

Q.授業内容はかなり多岐に渡っているんですね。4年間ではとても学びきれないような気もします。

「確かに、神学校で教わるのはほんの“さわり”の部分ですね。あとは実践というか、牧師としてたくさんの方との出会いを通して一生をかけて学んでいくものじゃないかなと思います」

Q.卒業後、赴任する教会はどうやって決めるのでしょう?

「プロテスタントの場合、教団・教派によって様々ですが、日本基督教団では特定の人事斡旋機関が全国各地に点在する約1700の教会と牧師とをマッチングしています」

Q.なるほど、ハローワークのようにそれぞれの教会のニーズに合う牧師さんをマッチングするんですね。

「ええ、マッチングがうまくいかなければ、職にあぶれてしまうケースもあります。だから、牧師として15年間、職場が与えられているのはありがたいことですよね」

Q.これまでの15年を振り返って、一番大変だった思い出は?

「うーん、いつでも大変といえば大変というか……(笑)。これまでに3つの教会に仕えてきましたが、それぞれの教会に持ち味や魅力があると同時に、克服しなければならない課題が違うんですね。何かあるたびに本当にこれでいいんだろうかと問わされますし、課題を乗り越えられたときには大きな喜びがあります。でも、ここがピークやどん底!と感じたことはありません。常に良いことと辛いことが共存しているようなイメージです」

Q.なるほど。では、牧師として喜びを感じる瞬間は?

「それはもう、聖書の言葉に触れるときですね。僕は毎朝、聖書の言葉を読んで黙想をした後にブログに上げているんですが、この時間が至福のひとときなんです。ことあるごとに聖書を読んでは、自分の至らなさを突きつけられることもありますが、聖書の言葉には、たったひと言でもその人を活かす力がある。それを自分自身が体験することにこそ、牧師としての幸いがあると思っています」

Q.なんだか格好いいです……!

「いやいや、牧師だからといって高潔なわけではありません。(笑)皆さんと同じ一人の人間であり、ときには悩み苦しんで、ズタボロの情けない姿をさらけ出してしまうこともあります。僕が考える“牧会”とは、聖書を中心にしてコミュニケーションを取ること。牧師の仕事は、単に聖書の言葉を皆さんに押し付けるのではなく、聖書の言葉が人を本当に幸せにするのだということを、自分の経験を通してアピールし続けていくことではないでしょうか」

Q.本当に一生涯の仕事ですね。

「ええ。だから、いい意味で達成感がない仕事なんです」

教えてくれた人
◇齋藤篤(さいとう・あつし)さん
日本基督教団深沢教会の主任牧師。いわゆる「カルト」と呼ばれる信者生活を経て、教会へ。趣味は美味しいものを食べること、料理すること。クリスチャンプレスではそんな“美味しくなるおいしい聖書の話”を書き綴った「あっちゃん牧師のおいしい話」を連載中

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