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キリスト生誕の博多人形、福岡のハンバーガー店で17年ぶり展示

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キリスト生誕の場面を再現した博多人形のクリスマス・クリブが、福岡市中央区の「モスバーガー赤坂けやき通り店」に飾られている。一般の目に触れるのは17年ぶりで、25日まで展示する。

博多人形のクリスマス・クリブ(写真:増屋提供)

クリブ(crib)とは「飼い葉桶」という意味の英語で、キリストが生まれたベツレヘムの馬小屋模型と、マリアやヨセフ、三博士や動物などの人形を並べたもの。4週間の降誕を待ち望むアドベント(待降節)に入ると、教会やクリスチャン家庭などに飾られる。イタリア語でプレゼピオ、ドイツ語でクリッペ、フランス語でクレッシュ、英語では他にメインジャー、ネイティビティーとも呼ばれる。

このクリブは、同店をフランチャイズ経営する博多人形店・増屋(博多区)の先代、田中寛さん(15年死去)が所有していたもの。日本聖公会の信徒だった寛さんが2000年、博多人形師の北岡秀雄氏(現在、陶芸家)に依頼した。北岡氏はその素朴な作風が人気で、このクリブを博多人形師としての最後の作品として製作したという。

クリブは、01年に天神地下街で展示された後、倉庫の奥に片づけられたが、しばらく行方不明になっていた。14年春、増屋の倉庫内を整理した際に見つかると、寛さんは展示を熱望していたという。寛さんの息子で現社長の哲さん(57)は、「念願がかない、父も喜んでいると思う。これからは毎冬展示したい」と話す。

クリスマス・クリブ(写真:増屋提供)

12月は博多人形店にとって、干支(えと)人形や正月飾りの販売があり、1年でいちばん忙しい時期と重なる。販売目的ではないので、人形店の店先の展示でなくてもいいと頭を切り替え、多くの人に目にしてもらおうと、今回、ハンバーガー店での展示になった。

実はこの博多人形クリブは3セット作られ、寛さんと日本聖公会・福岡ベテル教会(南区)が所有しているほか、ベツレヘムの博物館に送られ、現在はエルサレムの聖ジョージ大聖堂に展示・保管されている。

クリスマス・カード(写真:増屋提供)

キリスト聖誕2000年を記念して、1999年のクリスマス・イブ、ベツレヘムに「国際聖誕博物館」(Crib of the Nativity Museum)が設立された時、ユネスコの呼びかけで、世界中からクリブがこの博物館に集められた。日本にもクリブの依頼があり、日本聖公会から依頼を受けて、この博物館に展示するため、増屋が博多人形クリブを企画した。また2001年、この人形の写真がロンドンのセントポール大聖堂(英国国教会の代表聖堂)のクリスマス・カードに使用されたという。

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雜賀信行(さいか・のぶゆき)

雜賀信行(さいか・のぶゆき)

「クリスチャン・プレス」編集長。カトリック八王子教会(東京都八王子市)会員。日本同盟基督教団・西大寺キリスト教会(岡山市)で受洗。1965年、兵庫県生まれ。関西学院大学社会学部卒業。90年代、いのちのことば社で「いのちのことば」「百万人の福音」の編集責任者を務め、新教出版社を経て、雜賀編集工房として独立。2001年からキリスト新聞社をはじめ、キリスト教出版社を中心に書籍や雑誌の編集を数百冊手がけてきた。著書に『人生が変わる聖書のことば60』(いのちのことば社)、『牧師夫人新島八重』『キリシタン黒田官兵衛』『宮沢賢治とクリスチャン』などがある。

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