トランプ米大統領の弾劾、白人福音派は反対、カトリックや黒人プロテスタントは賛成

 

米議会下院で10月31日、トランプ大統領の弾劾調査プロセスの条件を定める決議案が賛成232票、反対196票で可決され、トランプ政権は苦しい立場に立たされている。第1回の公開審問は11月14日に行われた。

(写真:Charles Edward Miller)

米国の政治と諸宗教団体とのつながりは深い。無党派の世論調査会社パブリック・レリジョン・リサーチ・インスティテュート(PRRI)の調査によると、99%の福音派のクリスチャンの白人層がトランプ大統領の弾劾に反対しており、その割合は、弾劾の訴えが起こされる前(94%)よりさらに上昇している。

一方、ほかの教派や人種層を見ると、トランプ大統領に対する目は厳しい。今年10月20日に発表された同調査では、「トランプ大統領を支持することはほぼあり得ない」と答えた率は、カトリック信徒の44%、黒人プロテスタント信徒の67%を占めており、「支持することはないと思う」と答えた数字と合わせると、それぞれ59%、86%となる。

下院で弾劾された大統領には、「不適切な関係」を追及された第42代のビル・クリントン(1998年)と、南北戦争後に政敵を罷免(ひめん)した第17代のアンドリュー・ジョンソン(1868年)がいるが、二人とも結局、上院で有罪とはならず、辞任に至らなかった。また、「ウォーターゲート事件」に関わった第37代のリチャード・ニクソンは、下院で弾劾決議がされる前に辞任している(1973年)。今回、ウクライナへの軍事援助をなぜ停止したのかをめぐって弾劾調査が行われるトランプ大統領は、弾劾訴追されてから再選を目指す初の大統領となった。

トランプ大統領の弾劾が下院で採決される可能性は高いが、上院では共和党が過半数を占めているため、トランプ大統領が職を奪われる可能性は低い(可決には3分の2の票が必要)。

北朝鮮やシリアなどのさまざまな外交問題や度重なる人事交代、「国境の壁建設問題」や女性関係スキャンダルなどによって新聞を賑わせてきたトランプ大統領の弾劾関連の動向は、米国民だけでなく、全世界の注目を集め続けている。

 






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