神さまが共におられる神秘(35)稲川圭三

新しい礼拝の喜びを

2016年1月17日 年間第2主日
(典礼歴C年に合わせ3年前の説教の再録)
イエスは最初のしるしをガリラヤのカナで行われた
ヨハネ2:1~11

ヨハネ2章には二つの出来事が書かれています。「カナでの婚礼」(1~12節)と、イエスさまが「神殿から商人を追い出す」(13~22節)という出来事です。二つとも、今までのユダヤ教をはるかに超えた新しい出来事が始まったことを表しています。

「三日目に、ガリラヤのカナで婚礼があって」(ヨハネ2:1)というように、「3日目の出来事」、すなわち「イエスの復活の前触れ」とも言うべき出来事として「カナでの婚礼」の出来事は書かれています。

「イエスは、この最初のしるしをガリラヤのカナで行って、その栄光を現された」(11節)とありますが、それでは「最後のしるし」とは何かというと、十字架上の死と復活です。

「神殿から商人を追い出す」という出来事でイエスさまは、「この神殿を壊してみよ。三日で建て直してみせる」と言われました(19節)。「イエスが死者の中から復活されたとき、弟子たちは、イエスがこう言われたのを思い出し」たとあります(22節)。イエスの言われる「神殿」とは「御自分の体のこと」(21節)だったと思い出したのです。それで「聖書とイエスの語られた言葉とを信じた」(22節)。

最初のしるしは「カナでの婚礼」。最後のしるしは「イエスの十字架上の死と復活」です。その全体を通して、イエスさまは何を表したかったんでしょうか。それは、「人間の中には神さまが共にいてくださる」という真実です。

人間は、神がお住まいになる神殿。その真実をお互いに受け取り、尊重し合いながら生きなければならないことをイエスさまはお教えになりました。

イエスさまは、ご自分のうちに神がおられ、共に生きておられることをはっきり受け取って生きておられました。ご自分だけでなく、すべての人間の中に共におられる神のいのちを見いだして生きるお方でした。

イエスさまは、神が自分の内に共に生きておられるという真実の見本を示されました。でも、見本を示されただけでは、私たちはそのようにはなれません。それでイエスさまは、ご自分の霊といのちを私たちに注いでくださったのです。

今日の「カナでの婚礼」の出来事に戻るならば、ユダヤ人が清めに用いる水がめ。いくら体を清めても、神さまの救いに完全にあずかることはできません。神さまは自分の外にあると思っているからです。

でも、イエスさまが告げてくださった良い知らせと喜びは、神さまが人間の内に共にいてくださるということです。

外側しか清められない水を、イエスさまは大量の良質のぶどう酒に変えてくださいました。ぶどう酒が私たちを内側から温めて喜ばせるように、内側から救ってくださるのが、イエスさまを通して私たちがいただく新しいいのちの出会いです。

イエスさまがその生涯の全部をかけて始めてくださった新しい礼拝とはそのことです。旧約の古い、完全な喜びをもたらさない水がめを乗り越えて、新しい礼拝をイエスさまはお始めになりました。

その礼拝とは、神さまが私たちと共にいてくださるという「インマヌエル」です。そのことを受け取らせていただくなら、そのイエスさまと一緒に、自分の内にも、人の内にも共に神さまがおられることを認めて生きることになります。これが、イエスさまがお始めになった「新しい礼拝」です。

神さまはどこにおられるのでしょうか。私たちと関わりのない、遠く離れたところにおられるのでしょうか。

いや、そうではありません。私たち一人ひとりの内におられ、私たち一人ひとりの人生と共に歩まれ、一緒の向きで生きてくださる。それが、イエスさまが教えてくださった神さまです。そして、私たちは神の家です。

そのことをイエスさまと共に認めるなら、私たちの目の前にいるあの人、この人、あなたの内に神さまが一緒におられる、その真実を認めて生きなければなりません。これが新しい、イエスさまがお始めになった礼拝です。

今日もイエスさまはご自分の体を私たちに食べさせてくださいます。「アーメン」と答えて、一緒に生きるならば、自分の目の前の人に神さまが共におられる真実を認めて、神さまと一緒に生きるいのちになります。そういう交わりに今日も招かれていますので、ご一緒に「はい」と答えて歩ませていただきたいと思います。

「このぶどう酒がどこから来たのか、水をくんだ召し使いたちは知っていた」とあります(9節)。きっと召し使いたちは、「この人が何か言いつけたら、そのとおりにする」というところから「このぶどう酒」が来たと知っていたんだと思いますよ。

私たちも一緒です。「この人が何か言いつけたら、そのとおりにする」というところから、内側から喜ばせてくれる「ぶどう酒」、神さまのいのちが来ることを私たちも知りたいと思います。

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