コラム

【毎週日曜連載】神さまが共におられる神秘(93)稲川圭三

罪を取り除くため、いま私たちの内に

2017年3月5日 四旬節第1主日
(典礼歴A年に合わせ3年前の説教の再録)
あなたの神である主を拝み、ただ主に仕えよ
マタイ4:1~11

今日、四旬節第1主日に「荒れ野の誘惑」の箇所が朗読されました。その前に第1朗読では、アダムとエバが罪を犯す箇所が読まれました。

人間は、悪魔の誘惑にそそのかされて負けてしまう存在です。永遠のいのちを望む神さまの声を聞かないで、神から引き離そうと企(たくら)む者の声を聞いてしまうのです。

第2朗読では、「一人の人によって罪が世に入った」という言い方をしています(ローマ5:12)。それに対して、イエスは悪魔の誘惑に勝ち、「世の罪を取り除く神の小羊」(ヨハネ1:29)だというのが教会の信仰です。イエスは、私たちから罪を取り除く力を持っている方です。

では、どうやって私たちから罪を取り除いてくださるのでしょうか。何より、「罪」とはいったい何でしょうか。新約聖書で「罪」はギリシア語で「ハマルティア」という単語が使われています。その根源的な意味は「的外れ」です。

つまり、私たちが本当に向かうべきお方に向かわず、いつかは滅んでしまうものに向かい、そこに結びつき、滅びる者になってしまうことを「罪」「的外れ」だと言っています。私たちが向かうべきお方は神さまです。

今日の第1朗読では、こう書かれていました。

神である主は、土の塵(ちり)で人を形づくり、その鼻に命の息を吹き込まれた。人はこうして生きる者となった。(創世記2:7)

私たちは土の塵で創(つく)られ、土の塵に帰っていく滅びある存在です。しかし、そこに神さまは、ご自分の息、いのちを注いでくださったのです。そして、私たちの中で生きてくださるお方です。これが、神さまが共にいてくださるという、神の愛による人間の本質です。

人間はみんな、神さまがお住まいになっている「神の家」です。私たちは、自分にも人にもそのことを見て生きたらいいですよね。でも、そう生きられない。

「あの人、もう少し何とかなんないのかなあ」とか、「どうしてこんなことも分からないんだろう」とか、「なんて自分は駄目なんだろう」とか、自分や人の滅びある外側に向かい、その中にいてくださる永遠なるお方に向かわない的外れ。これが、人間の「罪」と呼ばれる「的外れ」です。

しかしイエスさまは、たとえ悪魔が誘惑しても、父である神との一致からは離れない方でした。これが今日の福音が伝えていることです。

さて、イエスは悪魔から試みを受けるため、霊に導かれて荒れ野に行かれた。(マタイ4:1)

その父である神との一致を何とか覆(くるがえ)そうと、悪魔が誘惑をしますが、イエスさまは「人はパンだけで生きるものではなく、神の口から出る一つ一つの言葉によって生きる」(4節)とおっしゃり、譲りません。

「神の子なら、飛び降りたらどうだ」(6節)とそそのかされても、「あなたの神である主を試してはならない」と言われます(7節)。

そして、「もし、ひれ伏して私を拝むなら、これを全部与えよう」と言われても(9節)、永遠なるお方との一致と、この世の滅びあるものを秤(はかり)にかけるようなことをイエスさまはなさいません。

「退け、サタン。『あなたの神である主を拝み、ただ主に仕えよ』と書いてある」(10節)

これがイエスさまのお答えでした。

イエスさまは、的外れではなく、的に一致した方です。向かうべきお方と一致したいのちでした。

その眼差しはどういうものだったのでしょうか。それは、人間と神の本質を見抜く眼差しです。つまり、一人ひとりの中に神のいのちがあるという真実を見て、祈って、生きる眼差しです。人間一人ひとりが「神の家」なのだという真実を見抜いて生きた方なのです。

十字架の死の時も、人間の中に共にいてくださる神のいのちを見てくださいました。自分を殺す者の中にも神のいのちを見て死なれました。その死は、「永遠」に結ばれた死、すなわち「復活」でした。つまり、人間の中に神のいのちを見て生きるならば、そのいのちは死んでも死なないという意味です。

死んでも死なないイエスのいのちは、洗礼によって聖霊というかたちで私たちに注がれ、私たちの中に立ち上がります。そのとき私たちは、人間の中に神のいのちを見て生きるいのちにさせていただきます。

これが、イエスさまが私たちから罪を取り除く方法です。外側から「罪を取ってあげる」なんておっしゃいません。私たちの中にあって、一緒に生きることを通して、「的外れ」ではなく、「的に向かって」生きるいのちを私たち一人ひとりの中に創ってくださるのです。

でもイエスさまは、自分勝手に私たちの人生を自動運転するようなことをなさいません。だから、絶え間ない回心をもって、「今日また、あなたと一緒に生きさせていただきます」という決心をもって、そのいのちを新たにしていただくのです。

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