【インタビュー】ソプラノ歌手・ありめせつこさん(後編) 歌うことは神様が備えてくださった道

前編を読む)

──オペラ歌手としても活躍されるありめさんですが、音楽を始めたのいつ頃からですか。

ピアノは小学3年から習っていました。歌も好きだったので、よく家で弾き語りもしていました。ただ、すごく引っ込み思案だったので、自分から進んで人前で演奏したりするのは苦手でした。それでも、友達や先生に引っ張り出されて、文化祭のステージで演奏させられることもあって…緊張するのは今でも変わらないですね。でも、宗教音楽を歌う時だけは、神様を崇める気持ちになっているからなのか、少し緊張が和らぎます。歌っていて開放感があるというか、天が開いているのを感じる時があります。

──ピアノから声楽に転向したということでしょうか。

私は手が小さくて、音大のピアノ科は難しいと言われ、高校の時に習っていたピアノの先生の勧めもあり、もともと好きだった歌のほうで受験することしました。その先生に出会っていなければ、音大に進むことも、ソプラノ歌手になることもなかったと思います。これまでを振り返ると、自分で選びとるというよりも導かれるままに、流れのままに来たのだなと感じています。神様が備えられたというのでしょうか。

ありめせつこさん

──キリスト教との出会いは?

大親友に誘われて特別伝道集会に参加したのがきっかです。中学2年の時です。その集会に誘われる少し前に図書室で、イエス・キリストの伝記を無意識のうちに手に取って読んでいて、そのことを思うと不思議な気持ちになります。その後、田無にある単立の教会に行き、オーストラリア人の宣教師の先生から、イエス様は亡くなってから3日目に蘇(よみがえ)ったという話を聞きました。私はとても怖がりで、普段ならそんなオカルト的な話を聞いたら怖くて仕方ないはずなのに、その時は全然怖くなくて、むしろ温かい気持ちになっていた自分に驚きました。

──音楽家の方は、留学先などで洗礼を受けて、そこから音楽の奉仕をされることが多いように思うのですが、ありめさんは信仰が先なんですね。

中学3年の時に洗礼を受け、それから途切れることなく教会に通い、武蔵野音楽大学に進みました。教会では、はじめから中高会ではなく、大人の礼拝に参加するように言われ、そこで奏楽の奉仕をしてました。賛美歌を弾くことは、音楽の勉強にもすごく役立って、今、初見でピアノを弾く事に抵抗がないのは、賛美歌を教会で初見で弾くご奉仕をしていたお陰だと思っています。

──学生時代にはゴスペルも歌っていたそうですが。

いのちのことば社で音楽を提供しているスタジオミュージシャンのギタリストが教会にいて、その人に歌わないかと誘われたのがきっかけです。それで、井之頭公園でのゴスペルのコンサートに参加し、その後、ゴスペル・メッセンジャーズと共演したり、キリスト教テレビ番組のハーベスト・タイムにも出演させていただいたりしました。そのうち教会にも招かれて歌うようになりました。

──オペラを歌うことと、ゴスペルを歌うことに違いはありますか。

世界にはいろいろな音楽があります。私は小学生の時から、ピアノ教材のバイエルが面白くなく(笑)、その為、教材には頼らず、自分で自分流の音楽を楽しんで来ました。そのうち、自己流で楽譜に書いてあるコード弾きができるようになり、演奏することで音楽のルールのようなものも理解していきました。クラッシックだけでなくポップスも歌い、その内、音楽を音楽のジャンルで決めるのでははなく、心が動く素敵な音楽を見つけていくようになりました。これが私の音楽の歴史のようなものなのですが、オペラでも、ミュージカルでも、ジャズでも、シャンソンでも素敵な曲はたくさんあります。その中でも、私にとって自分の魂が落ちつくのが賛美歌なんですね。仕事として讃美歌だけを演奏して生活するに大変難しいですが、自分が自分でいられる音楽なんです。オペラは大好きですが、その気持ちとはちょっと種類が違うかも知れませんね。

──今は特にコロナ禍でアーティストが大変だと聞いていますが、今後どのような活動を考えていらっしゃいますか。

しばらくは「リモート」が音楽の世界でも活躍すると思います。そのために、自分でもしっかり編集作業ができるようになりたいですね。そのための勉強が必要かなと思っています。また、もっとクリスチャン・アーティストが活躍できる仕組みが欲しいです。たとえば、私の仕事が多い板橋区にはアーティストバンク(無料)というのがあって、そこに登録すると依頼がきて、ギャラも発生します。クリスチャン専門のこういった仕組みがもっと広がっていったらいいなと思います。

──最後に、より多くの人に賛美を届けるにはどうしたらいいでしょうか。

「ザ・ブレッシング日本」の反応からも、賛美は本当に重要だと改めて感じています。普段でも教会堂が開放され、「あの教会に行けば、いつも賛美が聞ける」という教会が地域にあれば素敵ですよね。近所の人がサンダルばきで来て、気軽に聞くことができる…それができたら本当にいいなあと思います。そんな教会が日本中に出てくることを心から願っています。

 

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