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日本同盟基督教団 第70回教団総会で「即位の礼・大嘗祭に関する宣言」を決議

投稿日:2019年3月29日 更新日:

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福音派で全国に250以上の所属教会を持つ日本同盟基督教団(廣瀬薫理事長)は21〜22日にわたり、第70回教団総会を国際ファッションセンターKFC Hall & Rooms(東京・両国)で開いた。第14号議案まで討議する中で、2日目の22日、第8号議案として「即位の礼・大嘗祭(だいじょうさい)に関する声明」を決議した。

(写真:日本同盟基督教団提供)

現在の明仁(あきひと)天皇が2019年4月30日に退位することに伴い、皇太子である徳仁親王(なるひとしんのう)が5月1日に第126代天皇として即位する。天皇退位特例法成立を受けて、政府は次の5つの儀式を国事行為である「即位の礼」として指定した。「剣璽等承継(けんじとうしょうけい)の儀」(5月1日)、「即位後朝見の儀」(同日)、「即位礼正殿の儀」(10月22日)、「祝賀御列の儀」(同日)、「饗宴の儀」(同日)。

また「大嘗祭」は、天皇が「即位の礼」後、初めて行う「新嘗祭」(にいなめさい)のこと。毎年11月に天皇が行う収穫祭であり、その年の新穀を天皇が神にささげ、天皇自らも食す祭儀だ。

同教団は、天皇の即位に際して行われるこれら一連の儀式が『古事記』や『日本書紀』などの神話に基づいていると指摘。また、「新天皇が地上の支配権を継承し、その即位を国内外に宣言する儀式」であり、「中でも最重要儀式である大嘗祭は、新天皇が天照大神(あまてらすおおみかみ)を迎え、天皇霊を身に受けて神となる儀式」であると問題視する。

その背景には、「日本は戦前戦中、天皇を神格化することによって国民に対して皇民化教育による偶像礼拝を強要し、天皇の名による侵略戦争を正当化」してきた暗い過去がある。それだけでなく、「日本の多くのキリスト教会も天皇の神格化を受け入れ、国民儀礼と称して自ら率先して神社参拝・宮城遥拝(きゅうじょうようはい)などの偶像礼拝を行い、植民地とした国の人々にも偶像礼拝を強要して国家の推進した植民地支配に協力したのです」。

そのことを踏まえ、同教団は以下のように宣言した。

1、一連の代替わり儀式は、天皇を再び神格化して偶像を作り出すものであり、天地の創造者にして支配者なる唯一全能の神に対する冒涜(ぼうとく)行為です。そのような冒涜行為をやめ、まことの神に従うならば、やがて世の終わりに主イエス・キリストが再臨され、生ける者と死せる者とを審判されるときに向かう歴史の中で、この国も神の祝福を受けるでしょう。

2、私たち日本同盟基督教団は、平和をつくる者とされているにもかかわらず侵略戦争と植民地支配に協力し、自ら神格化された天皇に膝(ひざ)を屈(かが)め、植民地とした国の人々にもその偶像礼拝を強要した罪を悔い改めました。私たちは今ここに、聖書の啓示するイエス・キリストのみを主と告白し、「信仰と生活の唯一絶対の規範である」神のみことばに聞き従う決意を新たにいたします。

そして、以下の聖句を引用して宣言文を締めくくった。

「あなたには、わたし以外に、ほかの神があってはならない。あなたは自分のために偶像を造ってはならない。……それらを拝んではならない。それらに仕えてはならない」(出エジプト20:3〜5、新改訳)

「聞け、イスラエルよ。主は私たちの神。主は唯一である。あなたは心を尽くし、いのちを尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい」(申命記6:4〜5、同)

同教団は、明仁天皇への代替わりがあった1990年にも、第40回同教団総会で「大嘗祭に関する教団としての見解」を発表している。

今回の即位の礼と大嘗祭については、すでに本紙でも二つの記事で伝えたとおり、日本聖公会主教会正義と平和委員会(委員長:上原榮正主教)が2月21日、声明を出し、日本バプテスト連盟性差別問題特別委員会キリスト教婦人矯風(きょうふう)会(代表理事:飯田瑞穂、鏡清美)も2月28日に発表している。

日本基督教団の石橋秀雄総会議長による声明は昨年7月9日、日本カトリック司教協議会は同2月22日、日本キリスト改革派教会の川杉安美大会議長による声明は同10月10日に出されている。

また、こうした宗教儀式に国が公費を支出するのは、憲法が定める政教分離の原則に反するとして、昨年12月10日、牧師を含む市民団体のメンバーら241人が国を相手取り、支出の差し止めと1人あたり1万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴しており、2月に口頭弁論が行われている。

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