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新しい礼拝用聖書「聖書協会共同訳」講演会と奉献式

投稿日:2019年2月28日 更新日:

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「聖書 聖書協会共同訳」(日本聖書協会)の発行を記念する講演会と奉献式が22日、日本基督教団・銀座教会(東京都中央区)で行われ、220人が集まった。

全国のキリスト教会などで礼拝に使われる聖書としては、「新共同訳」から31年ぶりとなる新しい邦訳聖書。8年の歳月をかけてゼロから翻訳され、昨年12月に刊行された。

今回の邦訳にあたっては、「スコポス理論」という翻訳理論が採用された。コミュニケーションの目的(ギリシア語で「スコポス」)が変われば、訳出の仕方も変わる。今回の翻訳は、礼拝で使うことを主な目的とするので、一般の人には分かりにくくても、教会でなじんできた語、「主」や「義」、「贖(あがな)い」などはそのまま使う。そのため、直訳か意訳かといった「新共同訳」における課題を克服した聖書翻訳になった。このスコポス理論は現在、聖書翻訳の世界で標準的になっている。

ローレンス・デ・ヴリースさん=22日、日本基督教団・銀座教会(東京都中央区)で

この理論を提唱したオランダ・アムステルダム自由大学聖書翻訳学教授のローレンス・デ・ヴリースさんが記念講演を行った。25年間、聖書協会世界連盟の聖書翻訳コンサルタントとして働き、2004年に刊行されたオランダの共同訳聖書翻訳の中心メンバーの一人で、現在は同聖書改訂の諮問委員会会長を務める。

「オランダの聖書翻訳も日本と同様、意訳か直訳かの二つの選択肢しかなかった時代を経ています。ドイツで発展したスコポス理論の助けにより、それが克服できるようになりました。礼拝での朗読にふさわしい、格調高く美しい日本語訳を目指す今回の翻訳は、ある意味でオランダ語訳聖書の妹と言えます」

教会・教派を超えて「聖書 聖書協会共同訳」の発行を祝った

続いて、旧約の編集委員を務めた月本昭男(つきもと・あきお)さん(立教大学名誉教授、上智大学神学部特任教授)が登壇した。

「オランダでは聖書が、50%の無宗教の人たちにも親しんでもらえるよう、一般の出版社から刊行されました。このような出来事は、クリスチャンが1%に満たない日本における聖書翻訳事業にも大きな示唆を与えてくれます」

新約の編集委員である住谷眞(すみたに・まこと)さん(日本キリスト教会・茅ヶ崎東教会牧師、日本キリスト教会神学校講師)も次のように語った。

「すでにオランダ聖書協会では、15年の蓄積データに基づいて改訂作業に入っています。それを参考に、『聖書協会共同訳』も今後の改訂作業に目を向ける必要があります」

講演会の後には奉献式が行われた。日本聖書協会総主事の渡部信(わたべ・まこと)さんが新翻訳聖書事業の経過報告をし、翻訳部主事補の島先克臣(しまさき・かつおみ)さんが翻訳概況について語り、こう振り返った。

「『聖書協会共同訳』は、御言葉を愛する良質の共同体が生み出した翻訳聖書です。その完成の陰(かげ)には翻訳者や編集者の献身的な努力があり、今日は、その労苦を自ら、主のみ前にささげる時でもあります」

大宮溥さん

次いで日本聖書協会理事長の大宮溥(おおみや・ひろし)さんが「神の真実と人間の信仰」と題してメッセージを語った。

「青年時代、教会学校の夏期学校で教師としてうまくいかず、重い心を抱えていたとき、頭上に輝く星の光とともに聖書の言葉が響いてきたことがあります。そこで神の真実が自分に注がれ、神の召しに立ち上がりました。私たちは神の真実の愛に励まされて、それが信仰へと変えられていくのです」

その後、カトリック東京教区大司教の菊地功(きくち・いさお)さんが祝辞を送った。

「教会・教派を超えて共同して作業に当たり、今回の聖書を完成させたことは、キリスト者が絶対少数であるこの日本において象徴的な出来事です。少数派の中で力を合わせて福音宣教をする者にとっても、模範となる出来事だと感じています」

日本聖公会管区事務所総主事の矢萩新一(やはぎ・しんいち)さんも次のように祝福の言葉を述べた。

「『聖書協会共同訳』は、エキュメニカルな対話のもと、さまざまな違いを認め合い、多様性の中で一致したことの表れです。この新しい聖書が、神様と人々に仕える歩みを進める物差しとなっていくものと思っています」

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