日本ホーリネス教団、教会に集まらない場合の礼拝や役員会、献金のやり方を具体例でアドバイス 近隣への配慮も

 

日本ホーリネス教団(東京都東村山市)は2日、島津吉成(しまづ・よしなり)委員長(辻堂キリスト教会牧師)と佐藤信人(さとう・のぶと)総務局長(仙台南光沢教会牧師)の連名で、「新型コロナ・ウイルスの感染拡大を受けてのお願い」第4報を発表した。

3月26日付の第3報で、「外出自粛等の要請が出た地域は、教会に集まらない形を取るようにお願いします」と指示し、今回も「行政からの外出自粛要請が出された場合、教団としては、教会員が集まる礼拝形式は避けていただくようお願いいたします」と念押しした。

その場合の対策として、インターネットでのライブや録画の動画配信のほか、説教原稿や録音したものを配付するなど、諸教会が実際に行っている具体例を挙げた。また祈祷会や役員会をアプリでやる方法も紹介。献金のやり方もいくつかの実例を示した。

また、韓国や米国、フランスなど、教会が感染源になっているニュースに触れて、教会の近隣住民が不安を持つ場合もあることから、掲示板にネット礼拝をしている旨を伝えることなどもアドバイスしている。

いちばん右が日本ホーリネス教団初代総理の車田秋次(写真:
Holiness association)

ちなみに、この第4信とともに発表された「『共に礼拝堂に集まっての主日礼拝』を休止することに関して」(最後に全文を掲載)という文書に、「国家が私たちの信仰を否定し、共に集まることを禁じるならばクリスチャンはそれに抵抗すべきです。けれども、この度(たび)の政府からの自粛要請はそれとは異なったものでした」とある。日本ホーリネス教団創設に関わった人たちは戦時中、「そのキリスト教信仰は天皇制を否定するものだ」として政府と日本基督教団により強制的に解散させられた苦い経験を持っている。

新型コロナ・ウイルスの感染拡大を受けてのお願い」第4報の全文は以下のとおり。

新型コロナ・ウイルスの感染拡大が続き、いよいよ深刻な状況となってきました。先週は東京都をはじめ、大都市を中心に週末の外出自粛要請が出され、該当する地域の教会では、緊急の知らせに十分な対応をとる時間がなかったことと思います。このような事態は、今後は都市部だけでなく、少し遅れてそれ以外の地域にも及んでいくことが予想されます。

そのように日々刻々と変化していく状況に対して、私たちがどのように対処すべきなのか、自分たちの教会だけで判断することは難しく、皆さまも対応に苦慮しておられることと思います。

そこで、各教会での決定のサポートとなることを願って、教団としての指針を改めてご提示いたします。それぞれの教会における主日礼拝の開催の是非については、教会の主体性の根幹部分ですし、それぞれの地域によって状況は異なり、また先生方もそれぞれのお考えをお持ちですので、教団が行動を強制するようなことは控えたいと思います。しかし、もし判断に迷うような場合は、最も慎重と思える対応策を選択されるようお願いいたします。

以下に、現在必要と思われる情報をお伝えしますが、教団総務局がすべてのことを網羅することはできません。それぞれの地域や教会によって事情は異なりますので、記載されていない事柄等につきましては、各個教会の主体性に基づいて、それぞれで適切に判断してくださるようにお願いいたします。

1 外出自粛要請が出された場合の対応について

・行政からの外出自粛要請が出された場合、教団としては、教会員が集まる礼拝形式は避けていただくようお願いいたします。報道でもご存知だと思いますが、もしも教会の集会で集団感染が発生してしまった場合、本人だけでなく、家族や近隣の方々に大きな迷惑をおかけするとともに、周囲から多くの誹謗(ひぼう)・中傷を受けることにもなります。地域にある教会として、自分たちの中から感染者を出さないように最大の努力をすることは、私たちにとって大切な姿勢であろうと思います。このことにつきましては、別添の「「『共に礼拝堂に集まっての主日礼拝』を休止することに関して」に詳しく理由を記載していますので、どうぞそちらをご覧ください。

・このような場合に、取り得る対策(諸教会の実際例)としては次のようなものが考えられます。

①インターネット(YouTube等)を利用しての礼拝動画のライブ配信(YouTubeによるライブ配信の設定方法につきましては、多摩教会の石田真兄のご協力により、インターネット上に配信方法の説明をアップしていますので、メール文面にありますURLをクリックしてご覧ください)。

②録画した動画をアップ(前日までに録画したものをネットにアップ、あるいは主日礼拝を録画した動画を午後にアップ)

③説教原稿を土曜日のうちに配付(それぞれの家庭に届けたり、FAX送信したり)

④後日、説教CDや説教要旨などを届ける(郵送、あるいは自宅まで届ける)

⑤教団から紹介された他教会の礼拝ライブ配信を見ていただく

・それぞれの教会によって出来ることが異なりますので、各教会の状況に合った対応をしていただくようにお願いいたします。

2 その他の集会等について

・ほとんどの教会で、CS、祈祷会、伝道会などを休止しておられると思いますが、Web会議ツールのZoomを用いて、祈祷会や役員会などを行っている教会もあります。

・教団総会でも利用したZoomは、40分までは無料で利用できます。有料版(月2千円)になると時間無制限で利用可能です。接続方法が簡単で、スカイプよりも多人数に対応できます。

3 献金および教会会計について

・教会において礼拝をささげることができなくなった場合、献金をどのようにするかは一つの課題となります。幾つかの教会では、次のようにお知らせしています。「自宅で礼拝をささげておられる方は、封筒を用意して日付を記入し、その中にその日の献金をおささげください。そして、次に教会においでになるとき、それを一緒におささげください」。
・教会に来られない方々が献金(月定献金、集会献金等)を実際にささげる方法(教会会計に渡す方法)について、次のような対応をとっている教会があります。

①礼拝以外の時間に、各自が個人的に教会に届ける
②牧師や信徒が週報等を教会員に届ける際、献金を託す
③郵便振込等で送金していただく

・新型コロナ・ウイルスの感染拡大の影響は、今後もかなりの期間続くことが予想されますので、各教会の役員会におかれましては、教会の方々に献金方法を複数提示していただき、教会財政が支えられるように対応してくださるようお願いいたします。

・集会中止や出席者の減少を受けて、どこの教会においても献金収入の大幅減が予想されます。教団委員会では、その影響を受けて牧師給(最低謝儀)の支出が困難に陥っている教会に対する支援の必要を感じ、できるだけ早く対応を検討したいと考えています。この状況がいつまで続くか分からないため、どのような支援が可能なのか判断が難しいところですが、できることから始めたいと思いますので、しばらくお待ちくださるようお願いいたします。

4 その他

①近隣住民への配慮について

・教会の近隣住民の中には、教会がクラスター発生源になることを心配する方々もおられます。そのため、ある教会では外の掲示板に礼拝がネット礼拝になっていることを知らせる掲示をしている教会もあります。

②集会人数のカウントについて

・通常の礼拝を中止し、上記のようなさまざまな方法で礼拝をささげるように勧めておられる教会では、出席人数の数え方について迷っておられることと思います。今回は特別な事情により、自宅での礼拝を推奨していますので、それぞれが可能な方法で自宅にて礼拝をささげられた場合は、その方々をも出席人数としてカウントしていただくようにお願いします。そのためにも、自宅にて礼拝をささげた方はその旨を教会に報告していただくようにお知らせするとよいと思います。ただ、体制が整わず、カウントできなかった週もあると思いますので、教勢報告では空欄になるような場合もあることと思いますが、それで結構です。

レントのとき、父なる神が私たちの世界を憐れんでくださり、爆発的な感染拡大をとどめてくださるように。また、医療従事者をはじめとする多くの方々の働きが支えられますように。皆さまの教会の上に、主の守りと祝福がありますようお祈りいたします。

「私を憐れんでください。神よ、私を憐れんでください。私の魂はあなたのもとに逃れました。災いが過ぎ去るまで、あなたの翼の陰に私は逃れます。」(詩篇57篇2節/聖書協会共同訳)

「『共に礼拝堂に集まっての主日礼拝』を休止することに関して」の全文は次のとおり。

言うまでもありませんが、教会にとって主日礼拝をささげることは最も大切な働きでありますし、教会のいのちそのものです。たとえこのような状況であっても、礼拝だけは止めるべきではないとお考えの方もおられるかと思います。しかし一方で今、「共に礼拝堂に集まっての主日礼拝」の休止を、既(すで)に東京都内や近郊地域の多くの教会で、またその他の地域の教会でも実施していますし、更にこれから考えなければならない教会もあるかと思います。

東京聖書学院教会は、既に3月の第一主日礼拝より礼拝堂に集まっての礼拝を休止しています。その考え方についてまとめておられる文章が、私たちにとってとても良い指針になるかと思いますので、皆さまにもお読みいただきたいと思います。

 

なぜ学院教会は通常の礼拝を休止したか

東京聖書学院教会

学院教会は新型コロナ感染拡大の防止対策として、3月1日よりチャペルでの通常礼拝を休止してまいりました。これは未(いま)だかつて下したことのない決断でした。クリスチャンにとって主日の礼拝を守ることは、信仰そのものを守ることです。他の何が出来なくても、地震や嵐、迫害に襲われようとも、礼拝を守ってきました。「安息日を覚えてこれを聖とせよ」という御言葉に忠実に従ってきたのです。主イエスが復活された後、礼拝日が日曜日に変わってからもクリスチャンたちの態度は変わりませんでした。神を第一とすることは、すなわち礼拝を守る事だったのです。

国家が私たちの信仰を否定し、共に集まることを禁じるならばクリスチャンはそれに抵抗すべきです。けれども、この度の政府からの自粛要請はそれとは異なったものでした。感染拡大の危機意識をもって人の集まること自体を広く社会に向かって自粛を促したのです。国家の第一の目的が国⺠の人権と命を守る事にあるならば、まさにその目的の為に発した要請であると理解できます。そこにはもちろん政治的思惑や情報のコントロール等などの異物の可能性も否定できませんが、経済的・社会的ダメージを覚悟しての政府なりの決断であったのでしょう。

残念ながら、私たちは状況判断をするのに十分な科学的情報を自分たちで入手できるわけではありません。様々なメディアからの情報を広く聞き取り、判断しなければなりません。学院教会は、礼拝時に乳児から年配者まで200名近くの人が集まる集団です。その中には何人もの医療従事者、教育関係者、介護関係者も含まれます。会員の方々、その家族が平日に接触する人間の総計は千人単位となるでしょう。多人数が集まる礼拝を控える事は、少しでも東京都の感染拡大リスクを少なくさせることになるのです。

教会の目的は福音宣教であることに間違いはありません。けれども、それは神を愛し、隣人を愛することが大前提になっています。主イエスが安息日に人を癒すのを非難した人たちに向かって主はこう言われました、「安息日に善を行うのと悪を行うのと、命を救うのと殺すのと、どちらが良いか」(マルコ3:1〜5)。安息日はまさに人の為に、人を救うために設けられたのです。安息日が人を病に至らせ、命を奪うものであってはなりません。

私たちは礼拝を喜びの場としたいのです。心から賛美し、祈り、心を合わせて主の祈りを唱え、共に信仰を告白し、御言葉に感動したいのです。そして喜びや悲しみを兄弟姉妹と分かち合いたいのです。インターネットによる礼拝は大きな制約があり、手紙や電話、訪問が出来ても兄弟姉妹が一つ所に集まる事は出来ません。これは私たちの痛みです。しかしそれは神に仕える痛みであり、人の命を救う重荷であります。今こそ私たちはたとえ集まることが出来なくても、キリストの体につながる神の家族であることを覚えたいと思います。互いのために祈り合い、世の為に祈る機会としたいと思います。医療従事者など直接ウイルスと戦う方々、感染者とそのご家族、仕事ができないで経済的な苦境にある方々の為に祈りましょう。私たちの希望は常に神にあります。新型コロナ・ウイルス感染は、私たち人間がいかに小さく弱いものであるかを知らしめました。けれども神は小さな私たちの祈りに答え、この苦境を乗り越える知恵と力と与え、回復へと導いてくださる方なのです。

 

礼拝出席人数、教会堂がある地域等、どこの教会も学院教会とは異なっていますが、考えなければならない課題は同じです。参考にしていただきながら、それぞれの地域の状況を踏まえつつ、ぜひ皆さまの教会でもお考えいただきたいと思います。

そしてそのとき大切なことは、「共に礼拝堂に集まっての主日礼拝」を休止することが主日礼拝そのものを休止することではないこと、違う考えの教会のあり方をさばかないことです。

もうすぐ、主イエス・キリストのご復活を祝うイースターを迎えます。どのような状況下にあっても、罪と死の力を打ち破って復活してくださったキリストが、私たちの主であられ、私たちが礼拝し続けるお方です。どのようなかたちであっても、私たちの毎主日の礼拝は、キリストの十字架の贖(あがな)いと復活の力にあずかり、私たちの希望が新たにされるときです。

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