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日本出版 クラブ・ライブラリー特別展 造本装丁コンクールで受賞した『聖書協会共同訳』も展示

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「思いがけない本の奥行を発見する歓(よろこ)び──2019年第53回造本装幀コンクール作品から」が日本出版 クラブ・ライブラリー(東京都千代田区)で開催されている。同コンクールの受賞作品などが並ぶ中、日本書籍出版協会理事長賞(専門書部門)を受賞した『聖書協会共同訳』(中型引照・注付)も展示中だ。2020年1月14日まで。入場無料。

「ここまでやるか! すごい本たち」「触ってわかる、本の魅力」「水と戯(たわむ)れる本」「ひらいて愉快な本」「組版が美しいということ」「他にもある、すごい受賞作」などの7つのテーマで、本が持つ可能性が紹介されている。

『聖書協会共同訳』と『旧約聖書続編付き』

その中で「本づくりの原点・聖書」として展示されているのが、『聖書協会共同訳』(中型引照・注付)。マット・ブラックのカバーに、銀色に型押しされた「聖書」のタイトルと、色とりどりのモザイクの十字架がデザインされたスタイリッシュで美しい装丁。今回はまた、白地に同様のデザインが施されている『旧約聖書続編付き』も並べられている。

それらとは別に、ギリシア語新約聖書原典から初めて英語に翻訳された『ティンダル訳新約聖書』、マルティン・ルター存命中にヴィッテンベルグで出された最後の『ドイツ語聖書 ルター訳』も並ぶ。こちらは稀少本のため手に取ることはできないが、1837年にシンガポールで出版された『約翰福音之傳──ギュツラフ訳 ヨハネによる福音書』(復刻版)は、中身をめくって見ることができる。

『ドイツ語聖書 ルター訳』

2400頁を超える聖書について、「古代ギリシャ語から直接訳された独特の熱量を帯びた神の言葉の器」として、次のように紹介される。

「万年筆の書き込みに耐え、裏写りしないで、究極の薄さを保つ用紙。一折32ページにもかかわらず折りの誤差を感じさせない造本、背固め。用紙の抄造から印刷、製本まで、その本造りの技術の高さに脱帽。指に吸い付くような心地よいページめくりの感覚を手にとって試してください」

阿部薫さん

日本出版クラブ専務理事の阿部薫(あべ・かおる)さんは、聖書が展示されていることの意義をこう話す。

「聖書そのものに本作りの歴史があります。辞書と同じく分厚いものですから、なるべく薄い紙で、しかも裏写りしないようにするなどの工夫を重ね、印刷とか製本とか、出版物のある種お手本になるものだと思います。ですから、このような展示に聖書が並ぶのは妥当なことです」

特別展ではほかに、紙を水の中に入れると、紙が溶けて文字だけが残る『水温集』(審査員奨励賞受賞)や、肌が乾燥する今の時期に触ると、ほどよい潤いを感じられる本、目の見える人も見えない人も共に楽しめる盛り上げ印刷のバリアフリー絵本といった「触る本」。スキンケア商品をそのまま本にしたものや、実験的な組版、レイアウト、印刷製本に贅(ぜい)を尽くした工芸作品ともいえる本たちが並び、驚くべき創造力に満ちた本の姿に驚かされる。

阿部さんは、紙の本の可能性についても語ってくれた。

「電子書籍は電子書籍としての良さがありますが、めくる紙質だったり、印刷の印字だったり、表紙の美しさだったり、製本の仕方だったり、やはり、大昔のパピルスの時代から遡(さかのぼ)ることができる紙の本には、何ものにも代えがたいものがあります。造本装幀コンクールが53回も数えるのは、そういったことを多くの人が知っているからだと思います。今回、この特別展を準備していて、私たち自身も紙の本の可能性というものを改めて実感しているところです」

クラブ・ライブラリー内部

クラブ・ライブラリーは、13の出版関連団体が入る日本出版クラブ・ビルの象徴、また本の街・神保町にふさわしいライブラリーをコンセプトに、昨年11月にオープンした。天高8メートル、3階から4階までの壁面書架には、最大で約1万2000冊の書籍が収蔵できる。現在は、日本出版クラブに所属する全国の出版社約300社から寄贈された「未来に残したい」本、およそ8000冊を所蔵する。

日本出版 クラブ・ライブラリー(東京都千代田区神田神保町1−32、電話:03・5577・1771)。開館時間は、土、日、祝日を除く、午前8時半から午後7時半まで。詳しくはホームページを。

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