【インタビュー】日本福音同盟(JEA)の新総主事、岩上敬人さん 阪神大震災がきっかけでJEAに(後編)

 

日本福音同盟(JEA、廣瀬薫理事長)の新総主事、岩上敬人(いわがみ・たかひと)さん(イムマヌエル綜合伝道団牧師)に話を聞いた。

JEAとは、聖書信仰に立つ福音派の諸教会の交流・協力機関で、日本政府などに声明を出すなど、福音派を代表する機関だ。世界福音同盟(WEA)、アジア福音同盟(EFA)に加盟している。日本最大のプロテスタント教団、日本基督教団などが加盟する、主流派の代表的機関である日本キリスト教協議会(NCC)に対して結成された。

1968年、日本プロテスタント聖書信仰同盟、日本福音連盟、日本福音宣教師団を創立会員として創設されたが、86年、教団や教会を会員として、伝道団体を協力会員とする再編成を行った。現在、教団・教派・教会、伝道団体から約100団体が加盟し、福音派に所属する全56教団(単立教会を含む)、および40の協力団体を束ねている。

──JEAの活動内容についても教えてください。

JEAでは、宣教委員会(中西雅裕委員長)、神学委員会(能城一郎委員長)、援助協力委員会(村上正道委員長)、社会委員会(上中栄委員長)、青年委員会(蔦田聰毅委員長)、女性委員会(藤田真木子委員長)の6つの専門委員会に分かれており、それぞれの委員会で活発に活動を行っています。

「宣教委員会」では、宣教フォーラム、宣教研究、異文化宣教ネットワークという3部門に分かれて研究・調査をしていて、たとえば日本で生活をするアジア系クリスチャンと日本の教会を結びつける研究も行っています。最近では、さまざまな教団・教派、教会、宣教団体、キリスト教学校などの「次世代育成」への取り組み状況や現状の課題をアンケート調査報告書としてまとめました。

「神学委員会」では、その時代ごとの神学的な課題について研究を行っています。最近の編著として『原発と私たちの責任』、『「聖書信仰」の成熟をめざして』(いのちのことば社)などがあります。

「援助協力委員会」では、東日本大震災をはじめ、熊本地震、西日本豪雨、北海道胆振東部地震などでも、協力団体と連携しながら災害支援を行っているほか、防災セミナーや、被災された方や支援者の心のケアについての研修会なども諸団体と協力しながら行っています。

「社会委員会」では、宣教・伝道活動における社会的な問題について取り組んでいます。最近では、天皇の代替わりにあたり、クリスチャンとしてどのように向き合うべきかをまとめた冊子『天皇の代替わりQ&A』を作成しました。

「青年委員会」では、数年ごとに開催される大規模な集会「日本青年伝道会議」(NSD)の企画・運営を中心に、次世代育成に向けた取り組みを行っています。各教団・教会の取り組みを紹介したり、社会人青年が励まし合うための集会も開催したりしています。7月5日には、渋谷のhi-b.a.センターで社会人クリスチャンを対象に「NSDナイト」を開きます。

「女性委員会」では、宣教における女性の役割について考えたり、女性だけのリトリートなども行われたりしています。今月も第13回になる心のオアシス・リトリート「宣教の使命を担って──置かれたところで生き生きと」を、菅家容子先生(国際福音宣教会短期宣教プログラム担当)を講師にして神戸で3日間開催しています。

近年は、各委員会同士が連携を取り合いながら活動をすることも増えています。また、アジア福音同盟や世界福音同盟をつなぐ窓口にもなっており、世界各国の状況をJEAの加盟団体に発信しています。

──「協力」や「連携」が大切なキーワードになっていますね。

めまぐるしく変化を続ける日本社会に合わせて、教団や教派を超えて協力していくことは、宣教活動において不可欠であり、それぞれの活動の舵(かじ)取りをするのがJEAの役割であると考えています。JEAという大きな傘(かさ)の下で、教団や教派だけでなく、世界中の福音同盟が協力し合っているというイメージでしょうか。最近では、傘の下にとどまらず、さらに宣教への取り組みが活発になっていると感じます。

それぞれの委員会では定期的にイベントも開催されており、昨年11月に開かれた第2回「日本青年伝道会議」(NSD2)には500人以上が参加し、たいへんな盛り上がりを見せました。また、今年の6月25日に開催された国内災害対策フォーラムでは、各教団の防災担当者、各地域の教会防災ネットワーク代表者、また全国各地の支援ネットワークの牧師やスタッフが集まり、それぞれの防災の取り組みを共有し、ディスカッションを行いました。

今後は、一つの教会が地域を支援するだけではなく、教団と地域の連携を深めたり、その地域にある教会が連携を取り合って協力し合ったりする関係ができたらと考えています。

 






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