【インタビュー】JTJ宣教神学校学長・横山英実さん 聖書を学びたいすべてのクリスチャンが学べる神学校(後編)

前編を読む)

──講師が多いのもJTJの特徴ですが、横山先生がリクルートされるのですか。

講師は60〜70人いて、事務局が時間割を調整します。立場も教団・教派も違うたくさんの先生が講師となって教えるというのも、創立当初からのスタイルです。私がリクルートすることもありますが、ベースになっているのは「青年宣教大会」のメンバーで作った「仲良し会」です。岸義紘(きし・よしひろ)先生、大川従道(おおかわ・つぐみち)先生、中野雄一郎(なかの・ゆういちろう)先生、深谷春男(ふかや・はるお)先生は現役で教えてくださっていますが、病気や高齢のために辞められた先生もいます。そんな中、92歳の尾山令仁(おやま・れいじ)先生は今も元気で教えておられます。

横山英実さん

──どのようなことを講師に求めるのでしょうか。

当校は宣教神学校なので、福音を伝えていくことのできる人を育てることが目的です。そのためには、講師の方々には、健全な教会を立ち上げているとか、さまざまなかたちで伝道を実施している実績が大切です。学位も大切ではありますが、これから福音宣教に出ていく人たちに対して、宣教の実践者、経験者としての思いを伝えられる人を求めています。そういうわけで、牧師に限らず、ムラサキ・スポーツ会長の金山良雄(かなやま・よしお)さんや、インターナショナルVIPクラブ創設者の市村和夫(いちむら・かずお)さんなども講師をされています。必要な実践を各専門家から学ぶというスタイルです。

──学生の特徴を教えてください。

伊藤:19〜77歳まで、年齢層の幅は広く、平均年齢は49歳です。男女比はおよそ半々で、所属教団・教派は50以上あるので、賛美の仕方もそれぞれ違います。通学制の学生は1都6県から通ってきますが、通信制は全国に学生がいます。また、海外に住んでいる人も学んでいて、卒業式に何かの用事に合わせて帰国し、参加する人もいます。以前より入学者は減って、昨年は約80人でした。卒業生もバラエティーにとんだ活躍をしていて、直近では、難民問題にも取り組む柚之原寛史(ゆのはら・ひろし)さん(国際ペンテコスタル・ホーリネス教会・長崎インターナショナル教会牧師)がNHKなどに取り上げられています。

通学制の学生が学ぶ教室

──神学校の勉強はたいへんと聞くので、途中リタイアしてしまう人もいるのではないですか。

確かにそういう人もいますが、一度入学すると、どこかでやはり「主に仕えていこう」と立ち戻るようです。これまで途中休みながら、25年かけて卒業した人もいます。通信制の場合、だいたい5年はかかってしまいますね。再受講システムというのもあります。

──割合から言って、全部を通信制にしないのはどうしてでしょうか。

経営のことを考えれば、通信制にしたほうがいいのですが、教室をしていることによって、2割の学生が通学制を選んでいます。やはり生(なま)の授業、学生同士の横のつながりがほしいという人がいるので、経営の体力が続く限り、通信制と通学制の二つのコースでやっていくつもりです。JTJはフェイス・ミッション(献金に頼らず、信仰によって進む)なので、学費で経営が成り立っています。献金は感謝して受け取りますが、献金をお願いして学校運営はしていません。そういうスピリットでやっています。

教務の伊藤昌年さん

──最近のトピックスは何かありますか。

伊藤:昨年と3年前、「JTJカンファレンス」を東京と広島、沖縄で開きました。模擬講義をしてJTJを知ってもらい、できたら入学してもらいたいと。東京で開催した時には参加者が200人を超え、沖縄でも150人、広島では120人くらい集まりました。今後も様子を見て続けていきたいと思っています。

──開催地はどのように決めたのですか。

各地に卒業生の自主的な集まりで「学友会」というのがあるのですが、広島でやった時は、そこから声がかかりました。活発なところと、そうでもないところあるのですが、熱心な学友会は関心が高いようです。

──最後に今後目指すことなどを教えてください。

牧師の高齢化と無牧の教会が全国で問題となっていますが、悲観的に捉える必要はないのではないでしょうか。むしろ信徒が主体となり、福音を伝える側に変わっていくチャレンジだと考えるべきだと思います。

そのためにもJTJを利用してほしい。特に、定年退職した人にぜひ入学してほしいと思っています。聖書をしっかり学んで、残りの人生には宣教に生きていく姿を見いだしてほしい。何かをしてもらうのではなく、自分がしていく。奉仕をしていく。御言葉を語っていく。福音を伝える。そういう側になっていってほしいと思います。

教室がある単立・上野の森キリスト教会の重田稔仁(しげた・としひと)先生が中心となって、全世代に向けた宣教大会「TORCH(トーチ)」を2年くらい前からやっていて、私もその働きに深く共感しています。どこかの世代に宣教するのではなく、全世代に向けての宣教というところがいいと思っています。

召命がなくても、献身の思いがなくても、聖書を学びたい思いがあれば、ぜひ入学を検討してください。それぞれのステップの中で、神様は一人ひとりに適切に、生きて働かれるご自身を体験させ、宣教の思いへと導いてくださいます。

 






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