米津玄師さんが紅白で歌った大塚国際美術館システィーナ・ホールと教会

 

ワイヤレス・イヤホンのCMで「Flamingo」を歌うシンガー・ソングライターの米津玄師(よねづ・けんし)さん(27)。「第69回NHK紅白歌合戦」に12月31日夜、出演して、TBSドラマ「アンナチュラル」の主題歌「Lemon」を披露した。

そもそも出演する予定はなかったが、NHK側から「徳島からの生中継」という提案があり、急きょ出演することになった。これまでインタビューやVTR出演などはあったが、米津さんがテレビ番組で歌うのは初めて。

同曲は、昨年3月14日にリリースされたシングル。年間ランキング1位25冠を達成したほか、ユーチューブのミュージック・ビデオ累計再生回数は2億6000万回を超え(1月12日時点)、楽曲ダウンロード数200万超を記録している。

ドラマ制作者の「亡くなった人を想う曲」という希望に沿って曲を作っている最中、米津さんの祖父が死去。それから1年後の大晦日に祖父の生きていた地で歌うことの意味を感じ、出演に至ったという。

大塚国際美術館システィーナ・ホール(写真:663highland)

米津さんが歌ったのは大塚国際美術館(徳島県鳴門市)内のシスティーナ・ホールで、バチカンにあるシスティーナ礼拝堂を原寸大に再現したもの。天井中央部にあるミケランジェロによる「創世記」の9場面、壁の「最後の審判」もそのままだ。

ミュージック・ビデオも「教会で祈る人々」という演出だったが、その世界観を踏襲したといえる。ちなみにミュージック・ビデオの撮影で使われたのは早稲田奉仕園スコットホールで、アーティスト写真は日本基督教団・西方町教会で撮られた。

大塚国際美術館は、世界25カ国にある190の美術館などの著名な西洋絵画1000点余を陶板画で展示するという美術館。陶器の板に図柄を描き焼きつける陶板画は、大塚オーミ陶業(滋賀県信楽町)の特殊技術を用いて、オリジナルと原寸大で忠実に再現されている。

1998年、大塚製薬創立75周年記念に合わせて、創業者の出身地である鳴門に美術館は建設された。その広さは国立新美術館に次ぎ、私立では日本最大。モネの「大睡蓮」やダ・ヴィンチの「モナリザ」「最後の晩餐」、ゴッホの「ひまわり」、ムンク「叫び」など、全体を見て回るのに1日では難しいという。

同美術館絵画選定委員で、天正遣欧少年使節を描いた『クアトロ・ラガッツィ』で大佛次郎賞を受賞した千葉大学名誉教授、若桑みどりさん(故人)は、開館10周年に天井画が完全に再現された経緯をこう語る。

「(開館当時)複雑な曲面で構成された『スパンドレル』と呼ばれる、天井と壁を結ぶ部分や、微妙な反りを示す局面を陶板で模造することは、技術的に至難の技であり、そのような曲面上に描かれた『旧約の英雄たち』『キリストの先祖たち』、そして、ミケランジェロの描いた最も偉大な人物像とされる『預言者と巫女たち』は大塚の礼拝堂には再現できなかったのである。……今10周年を迎えるにあたって、大塚国際美術館、そして大塚オーミ陶業株式会社は技術的な総力をあげて、曲面を含むミケランジェロの偉業の完全再構成を行った」(大塚国際美術館公式ホームページ)

大塚国際美術館2代目館長である大塚明彦さん(大塚製薬元代表取締役社長、故人)は2007年、日本国内でキリスト教の伝統を紹介し、その認知度を高めた功績が評価され、ローマ教皇庁より聖シルベストロ教皇騎士団長勲章が授与された。聖シルベストロ教皇騎士団長勲章は、カトリック教会への貢献や功績のあった人を称える勲章で、カトリック信者以外も対象。日本人では、第30代内閣総理大臣の斎藤実(1922年)、作家の遠藤周作(70年)、将棋棋士の加藤一二三(86年)などが授与されている。

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