カトリックで元NBA選手コービー・ブライアントさん、ヘリ墜落死

 

米プロバスケットボールNBAのスーパースター選手だったコービー・ブライアントさん(41)が26日、ヘリコプターの墜落事故で死亡した。13歳の次女ジャンナさんなど、一緒に乗っていた9人全員が亡くなった。ブライアントさんと妻ヴァネッサさん(37)の間には、ほかにナタリア(17)、ビアンカ(3)、カプリ(7カ月)という3人の娘がいる。

2012年のロンドン五輪でのブライアントさん(写真:Christopher Johnson)

ブライアントさんが個人で所有するヘリに乗っていたところ、米西部時間26日午前10時(日本時間27日午前3時)ごろ、ロサンゼルスから北西に50キロメートル離れたカラバサス市に火を噴きながら墜落したという。ブライアントさんはNBAなどの試合を見に行くのに日ごろからヘリを利用しており、26日も試合に向かっていたと見られる。

ブライアントさんは17歳でNBA入りして、名門ロサンゼルス・レイカーズに20年間在籍し、主力選手として5回優勝。2008年には最優秀選手(MVP)に選ばれ、NBAファイナルズのMVPにも2度選ばれた。また、18年連続でオールスターゲームに選出され(NBA記録)、オールスターMVPに4回に輝いた(歴代最多)。1試合81得点(NBA歴代2位)の記録を持ち、NBA最多得点選手は2回。オリンピックでは08年の北京五輪と12年のロンドン五輪で米国代表チームの優勝に貢献した。NBA史上最も偉大な選手の一人とされ、16年に引退。

コービー(Kobe)という名前は、米国の鉄板焼きレストラン「神戸ステーキハウス」に両親が行った際、「KOBE」(神戸)という名前を気に入って名づけたという。阪神・淡路大震災から3年後の1998年にブライアントさんが初来日した際には、神戸市役所を訪問し、「福祉に使ってほしい」と、チャリティー行事で集めた約48万円を寄付した。また2001~11年には「神戸大使」に就任していた。

聖家族大聖堂の内部(写真:Farragutful)

ブライアントさんはカトリックのクリスチャン。彼自身と家族との生活において困難な時期(スキャンダル)を乗り越えるのに、その信仰が力になったという。もともとカトリックの家庭で育ち、NBAの選手だった父親が海外移籍したため、6歳から13歳までイタリアで過ごした。現在、カリフォルニア州オレンジ郡の聖家族大聖堂の信徒で、この事故の直前も、午前7時からのミサに出席していたという。

歌手のクリスティーナ・バレステロさんは、平日のミサでブライアントさんと会った時の話をインスタグラムに投稿している。

「聖体拝領のとき、(ブライアントは)私が行くのを待ってくれました。あなたがカトリック教会で育ったなら、これは女性への敬意のしるしだと分かるでしょう。彼は、『君の声は美しいね』と私に言ってくれました」

「彼の最も感動的な特徴は、神への信仰に立ち返り、そのあわれみを受け、悔い改めをした後で、より良い人間になろうと決断したことです」(「カトリック・ヘラルド」)

またブライアントさんは「GQマガジン」のインタビューに次のように答えている。

「私はカトリックで、カトリック家庭に育ち、子どもたちもカトリックです。私のスキャンダルの中で本当に助けとなったのは、神父さんと話したことでした。彼が『そんなことを本当にやったの』と尋ねたので、『もちろん、やっていません』と答えました。それから彼は、『良い弁護士がついているの』と聞くので、『ええ、はい、素晴らしい弁護士です』と返事をしたら、こう言われたのです。『弁護士に任せず、先に進みなさい。「神は……耐えられないような試練に遭わせることはなさら(ない)」から(1コリント10:13)。そして、それは神の御手の中にある。これは君がコントロールできないものなので、それを手放しなさい』。それがターニング・ポイントでした」

 






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