【インタビュー】金城学院大学学長・小室尚子さん(1)教会の礼拝から始まる1週間

 

愛知県名古屋市にある私立女子総合学園として知られる学校法人金城学院の金城学院大学。この春、生活環境学部教授であり牧師でもある小室尚子(こむろ・なおこ)さん(67)が学長に就任した。1949年に同大が設立されて以来、女性学長は初めて。

小室尚子学長

小室さんは1953年、愛知県岡崎市出身。金城学院中学・高校を経て金城学院大学文学部国文学科を卒業し、金城学院大学に助手として勤めた後、東京神学大学大学院博士前期課程修了(M.Div.)、同博士後期課程単位取得退学、米国ウェスタン神学大学大学院修了(Th.M.)。日本基督教団・井草教会の伝道師と富士見町教会で牧師を務め、東京女子大学准教授を経て、2009年から金城学院大学生活環境学部教授。また、同年から学校法人金城学院の宗教総主事も務める。専門は歴史神学、宣教学。学長の任期は20年4月から4年間。

金城学院大学は、1889年、米国南長老教会の宣教師アニー・ランドルフが私費を投じて私邸に生徒3人で開校した「女学専門冀望館」が源流。1949年に金城学院大学(英文学部英文学科の単科)を設立した。定員40人からのスタートだったが、現在では5学部12学科、大学院は2研究科6専攻で構成され、約5000人が学ぶ大学へと発展した。金城学院のスクールモットーは「主を畏(おそ)れることは知恵の初め」(箴言1:7)。その根底には、「福音主義のプロテスタント・キリスト教に基づく女子教育」があるという。

小室学長に、これまでの歩みを振り返っていただき、キリスト教教育やその目指すところについて話を聞いた。

──牧師から学校教育へと転じ、さらに学校運営を担う立場となったことをどう感じられていますか。

牧師と学長、どちらも神にあって召されたもの、「召命」と受け止めているので、与えられた使命を果たしていくという思いでいます。キリスト教学校と教会はある意味で通じるところがありますが、毎日の務めはまったく違います。だから、たいへんなこともありますが、それぞれ与えられた場所、与えられた使命と感じています。

アニー・ランドルフ記念講堂

──ノンクリスチャンの学生が多い中で、キリスト教大学で何をいちばん伝えたいと思われますか。

大学に来るほとんどの学生は、キリスト教にまったくと言っていいほど関心を持っていません。クリスマスやイースターにしても、多くの日本人がそうであるように、単なるイベントとして楽しんだり騒いだりするだけのものになっています。ですので、まずはそれらのイベントの正しい意味を知ってもらうことが必要だと思っています。

西暦や1週間の刻みといった身近なことから、民主主義という思想まで、実は私たちの生活の中にはキリスト教が背景にあるものがたくさんあります。また、本学は女子校なので、女性の生き方、女性としての人格教育に最初に取り組んだのは米国人宣教師だったという面からもキリスト教に関心を持ってもらうようにしています。

アニー・ランドルフ記念講堂のステンドグラス

──小室学長は、「中学時代のキリスト教との出会いが人生を大きく変えた」と言われています。

私とキリスト教との出会いは、この金城学院に入ったことが出発点です。中学に入学した時から、教会に出席することが奨励されていたので、それで教会に通うようになりました。

──どちらの教会ですか。

金城学院中学校の正門の前にある日本基督教団・中京教会です。私の親はクリスチャンではないので、学校から「教会に行きなさい」と言われても、どこに行けばいいのか分かりません。「とりあえず学校の前にある教会なら迷わずに行けるだろう」ということで、その教会に行き始めました。

この教会に通っていたのは、私のほかにも金城に通う生徒が50人くらいいました。ただ、ほかの人は上級生になるとだんだん足が遠のき、とうとう私一人になってしまうのですが、それでも毎週欠かさず通い続けました。

「なぜ生きなければいけないのか」、「命を落とす同年代の人がいるのに、なぜ自分は生きているのか」など、生きる意味に関心を持つ子どもだったので、そのことも教会に通い続けた理由かもしれません。

──洗礼も中京教会で受けたのですか。

そうです。高校になった時には、神様と離れられなくなっている自分を感じました。「神に捕らえられた」などと偉そうなことではなくて、教会に行って神様の話を聞かないと1週間が始まらないという状況の中で、高校1年生の時に洗礼を受けさせていただきました。うちは、「自分で考え、自分で見いだした信仰なら、責任を持ってその信仰を貫け」という親でしたから、とても感謝しています。(2に続く

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