すべての人に開かれたキリスト教葬儀とは?「倉沢正則&野田和裕ダブル発行記念セミナー」

 

終活をテーマにした「倉沢正則(くらさわ・まさのり)&野田和裕(のだ・かずひろ)ダブル発行記念セミナー」(主催:創世 ライフワークス社)が23日、千葉クリスチャンセンター(千葉市)で開催された。

ライフワークス社が5月に創刊した終活のトータルサポート情報誌「終活STYLE」と、東京基督教大学国際宣教センター・キリスト教葬儀研究会による論文集『日本宣教におけるキリスト教葬儀──開かれたキリスト教葬制文化を目指して』の発行を記念したもの。

倉沢正則氏=23日、千葉クリスチャンセンター(千葉市)で

まず、第1部で倉沢正則氏(東京基督教大学国際宣教センター長)がキリスト教葬儀のあり方について語った。

「日本では現在、約8割が仏式で葬儀をし、キリスト教葬儀は全体の1パーセント前後。ただ、ここ数年、家族葬(密葬)や、火葬場で直接葬儀をする直葬といったことが目立ち、葬式の簡素化が進んできている。

また、高齢者の孤独死なども社会問題となる昨今、人を葬ることの厳粛さが弱まってきているのではないか。今こそ、人の尊厳と葬りを、キリスト者として見直す必要がある。

キリスト教葬儀は、神につくられた人の存在の大切さ、命を司った神様の存在を表す機会。そこでは、故人の死を通して命と向き合うことになる。葬儀は宣教の場でもある」

質疑応答の時間もあり、活発に意見が交わされた=2 3日、千葉クリスチャンセンター(千葉市)で

カトリックでは「死者のためのとりなしの祈り」や「死者のためのミサ」が行われ、信者も、そうでない人も故人のために祈り、それを通して遺族に寄り添い、「聖徒の交わり」にあずかるが、プロテスタントでそれをどう表すかは、まだ研究の途上だという。

最後に、すべての人に開かれたキリスト教葬儀のあり方について、4つ提案した。

①故人の生を導かれた神をあがめる。
②故人をみもとに取られた神にゆだねる。
③遺族が故人の生を感謝し、自分の死を考え、キリストにある永遠の命の希望へと心を向ける。
④故人と遺族の絆(きずな)を覚えつつ、キリトとの絆へ向かわす。

「特に4つ目は大きな課題であり、各自の教会でぜひ議論をしてほしい。論文集がその問題提起になれば」として倉沢氏は話を締めくくった。

野田和裕氏=23日、千葉クリスチャンセンター(千葉市)で

第2部では野田和裕氏(ライフワークス社社長)が講演した。野田氏は東京基督教大学出身で、倉沢氏の教え子。

キリスト教葬儀を専門として、これまで1400人以上の死を見てきた野田氏は、実践的な側面から終活について語った。

「今後、多死社会を迎える日本だが、死を日常の中で体験することがなくなり、死が遠いものとなっている。しかし、100パーセント誰もが体験することになる死への心構えは非常に大切なことではないか」

多死社会に備え、野田氏が教会に提案したポイントは12。

①葬儀運営委員会・慶弔運営委員会の設立
②葬儀マニュアルを作る
③葬儀の希望の提出
④終活システムの構築
⑤墓地・納骨先の決定
⑥葬儀の受け入れの構築
⑦ターミナルケアの構築
⑧グリーフケアの構築
⑨葬儀・終活の学習(終活カウンセラーの取得)
⑩地域におけるコミュニティーとしての教会の役割
⑪平均寿命と健康寿命を考える(人生100年時代への備え)
⑫エンディング・ノートの勧め

中でも、葬儀や終活を専門的に学んだ終活カウンセラーの設置は、教会内部だけでなく、周辺地域でも教会の役割が広がることを意味する。このように野田氏は、地域におけるコミュニティーとしての教会の役割も提案した。

セミナーに参加した女性(60代)は、「現実に動き出すことが必要だと感じました。今日聞いたことを教会で提案しようと思います」と語った。

今後のセミナーの日程と場所は次のとおり。

6月29日(金)午後7時~9時、VIP関西センター8階B室
7月7日(土)午後2時半~5時半、東京プレヤーセンターOCCビル4階
7月14日(土)午後1時半~4時半、山の上教会グレイスチャペル
9月29日(土)午後1時半~4時半、西南学院大学百年館
各回とも定員あり。参加費無料。

詳細はライフワーク社のホームページを。

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