第2回「教会どうでしょう」 コロナの影響は教会の規模でどう違う?

聖イグナチオ教会主任司祭・英隆一朗氏

エキュメニカルプロジェクト(えきゅぷろ)実行委員会の主催による事例報告会「教会どうでしょう」の第2回が11月22日、Zoomを介して開催され、約30名が参加した。これは、コロナ禍において「あなたの教会はどうでしょう?」と、それぞれが抱えている課題や、対策、ノウハウなどを共有し合う催しで、今回のテーマは「コロナ禍のメガチャーチ・スモールチャーチ」。
新型コロナウイルスが教会に及ぼした影響は、規模の大小によってどんな違いがあったのか。メガチャーチ(大規模教会)の代表として東京・四ツ谷にあるカトリック聖イグナチオ教会の主任司祭・英隆一朗氏、スモールチャーチ(小規模教会)の代表として日本ナザレン教団長崎教会の牧師の門田純氏がそれぞれの状況を報告。コロナ禍における教会のあり方について対談が行われた。

聖イグナチオ教会が属するカトリック東京大司教区では、新型コロナウイルスの話題がニュースで取り上げられるようになった2月末から公開ミサを中止。3月半ばよりYouTubeによる配信に切り替えた。6月からミサは再開されたが、感染予防のため事前申込制。これまでは毎週約5千人が参加していたが、1千人にまで制限せざるを得ない状況だった。そのため、現在も日本語、英語、スペイン語、ベトナム語と計4か国語でYouTube配信を行っているという。
「大きな教会の良い点の一つに、人材の豊富さがあります。(信者の中に)インターネットに詳しい人をはじめ、さまざまな分野の専門家がいるので、やりたいと思ったことがほぼ実現できています」と英氏。
ただ、献金額は大幅に減っており、昨年と比べ約8千万円の減収が予想されるという。

一方、礼拝の平均出席者数が約16人という長崎教会では、教会員からの「礼拝を続けてほしい」という要望を受け、礼拝の継続を選んだ。そのため、献金額が大幅に減ることもなかったようだ。「牧師の立場として、今は休みたいという方や公共交通機関を利用される方には無理をしないようにと呼びかけていましたが、リスクを抱えてでも礼拝を受けたいという人の自由も守らなければいけないと感じました」と門田氏。
また、スタッフが少ないこともあって敬遠していたという礼拝のオンライン配信も、要望を受けて開始。入院中など礼拝への参加が難しい人が毎週参加できるようになり、今後も続けていきたいという。

日本ナザレン教団長崎教会の牧師・門田純氏

新型コロナウイルスによって共同体のあり方について考えさせられているという英氏は、多様性の中でどのようにつながりを持っていくかが今後の課題だとし、門田氏も「これだけ価値観やライフスタイル、働き方などが多様化している中で、一つの大きな塊にするのはそろそろ限界が来ているのかなと感じています。今後は、共通の危機、悩みを持つ多様な小さなグループができ、いろいろなカラーを持った人たちがミサや礼拝を受ける姿が見えてくるような気がしています」と応じた。

英氏、門田氏の意見として共通していたのは「オンラインだけでは(ミサも礼拝も)成立しない」という点。新型コロナウイルス終息のめどは立たず、オンライン配信に力を入れざるを得ない状況ではあるが、多くの人が苦しんでいる今だからこそ、教会が慰めを得られる場所であれたらと締めくくられた。

第3回目の「教会どうでしょう」は来年1月開催予定。また、青年を対象に、12月19日(土)14:00から16:00までZoomで「えきゅぷろ2020 クリスマスの集い ~もろびと(オンラインで)こぞりて~」も開催される。申し込みはこちらから。

 






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