【インタビュー】シンガーソングライターの Manami さん(後編) ゴリアテは自分の凝り固まった考え

前編を読む)

Manami さんの新曲「the gates」も、これまでの楽曲同様、弟で作曲家の中村泰輔がメロディーをつけた。彼は、乃木坂46のファンから「神曲」と評されている「アナスターシャ」の作曲家でもある。

ゴスペルからインスパイアされた「the gates」は、英語で歌われている。

「私は日本語も英語も好きなんですけど、この曲は英語のほうがメロディーに合いますし、私が表現したい世界観に合っていました。最近は英語で聖書を読むことも多いのですが、そうすることによって日本語では見えなかったものが見え、新しい発見もたくさんあります。

たとえば、今回のタイトルは『the gates』と複数形ですが、日本語の聖書だと『門』は単数形です。ただ、英語では複数形の箇所もあり、『あなたはその城壁を「救い」と、その門を「賛美」と呼ぶ』(イザヤ60:18)では、英語では『you will call your walls Salvation and your gates Praise』(NIV)と複数形なのです。そこで『gates』が『賛美』や『誉れ』と呼ばれていることを知って、音の響きもいいし、この歌のタイトルにぴったりだと思いました。

聖書の中には、格好いい言葉づかいやフレーズがたくさんあるので、神様を知らない方や、聖書を読んだことのない方にも、その深い意味を感じ取って知ってほしいですね。

サビの部分の『Yet you, Lord, are our Father. We are the clay, you are the potter(しかし主よ、今、あなたは私たちの父。私たちは粘土、あなたは陶工。私たちは皆、あなたの手の業です)』は、私が助けられた聖句で(同64:7)、御言葉をそのまま使っています。ただ『神様はあなたを愛している』とか『あなたは尊いよ』だけではなく、御言葉が持つ深い魅力を感じてもらいたいですね」

エネルギッシュなそのミュージック・ビデオ(MV)は、Manami さんが大好きな街であるニューヨークの教会で撮影されたが、彼女自身がそのMVのプロデュースも担当した。

「この曲は、私の10年間の活動に対する神様へのラブレターです。宗教的な観念から抜け出した時に本当に喜びがあふれ、義務とかではなく、自然と神様を賛美したくなり、この曲が生まれました。

去年、神様と本当の関係を築けたので、これまでの10年の壁を壊すことができました。それは、少年ダビデが巨人のゴリアテを倒したようなものだったので、その部分もMVに入れたいと、CGを使える監督にお願いしました。私にとってのゴリアテは、自分の凝り固まった考えでした。クリスチャンになっても、そこはなかなか崩せなかったですね。

また歌詞にも書いたのですが、全然声が出ずに歌えなくなってしまった時期もありました。『あなたはこれで終わりだよ』というサタンの言葉が聞こえ、それに同意してしまった自分もいました。そんな状況の中でライブ出演しなくてはならなかったので、本当につらかったし、怖かったです。それも私にとってのゴリアテだったので、ゴリアテはただ一人だけでなく何人もいた感じですね。

神様が私に与えてくださった試練だと今は思いますし、それをどうやって私が乗り越えるのかを神様は見守っていてくださいました。自分の力で歌っていたのではなく、歌への情熱や歌う機会はすべて神様から与えられたと謙遜(けんそん)にさせられた時に壁を打ち破ることができ、へりくだればへりくだるほど、すべてが恵みとなり、ものすごい力を与えられるのです。このように悔い改めると、大きな祝福を与えてくださるので、その部分も歌詞に込めました」

神様へのラブレターだと言う「the gates」は、Manami さんの歌手生活10年の集大成でもあり、シンガーとしての第1章を締めくくるにふさわしい曲となった。

「第2章をどのように歩んでいきたいか」と尋ねてみると、「全然分からないですね。神様からのささやきのようなメッセージを毎日きちんと受け取りながら、神様に仕えていく姿勢でいれば、まだ見たこともないような場所に神様が連れていってくださるという期待と希望はあります」

彼女の歌声はクリスチャンに力を与え、彼女が書く詞には神様の素晴らしさがクールに描かれている。

日本のスポーツ界や芸能界には、強い影響力を持つクリスチャンは少ないが、心から神を愛し、肩ひじ張らずに自然体の信仰を身につけている Manami さんは、キリストの香りを放つ貴重な存在といえる。一般社会でもトップに立てる才能を与えられながら、自分の能力だけに頼ることなく、神に寄り頼みながら主と共に歩んでいる。

10年前にファレル・ウィリアムスの秘蔵っ子として世界のミュージック・シーンにデビューした日本の歌姫は、日本音楽界の「光」でもある。

Manami:沖縄県那覇市出身。学生時代を東京で過ごし、2008年に世界的音楽プロデューサーのファレル・ウィリアムスと世界的デザイナーNIGO主催の「STAR BAPE SEARCH」でグランプリを受賞。スタイリシュなビジュアルと、ずば抜けた歌唱力で高い評価を得る中、19年から作詞家としても活動の幅を広げる。歌手生活10周年を迎えた今年には新曲「the gates」をリリース。アーティストとしての新しいシーズンへの期待を感じさせる楽曲となっている。これまでの全楽曲は、乃木坂46などの楽曲を手がけ、日本の音楽シーンの第一線で活躍中の弟、中村泰輔がプロデュースしている。

Share

Related Posts

  1. 「教会の彫像も見直す」とカンタベリー大主教 2020年6月29日

  2. バプ連が首相と日本宗教連盟に抗議 「宗教団体への公金支出に反対」 2020年6月27日

  3. 中村哲さんへの追悼「誰も行かぬなら私が行く」

  4. 【インタビュー】キリスト教カウンセリング・センター理事長・大塩光さん 「牧師」の枠を取り払って、一人の人として(後編)

  5. 東京キリスト教学園と遺族による吉持章氏の合同葬

  6. 9月9日は北陸学院の創立記念日

  7. ベルリン国際映画祭エキュメニカル審査員賞「神は存在する。その名はペトルニージャ」

  8. 日本聖公会東京教区 教役者不在時には信徒による礼拝、会合の自粛を勧める

  9. 聖学院大学、「全学礼拝」をアーカイブ化 フェイスブックで配信

  10. キリスト教主義大学(カトリック)の授業、21年度は対面授業を中心に  

  11. 心をあたため、明るく照らす光を共に 明治学院大学クリスマス・ツリー点灯式

  12. 【訃報】セルビア正教会イリネイ総主教 新型コロナウイルスで永眠

  13. 純白のワンピースの制服へ 松蔭中学校・高等学校の制服に込められた祈り

  14. 【インタビュー】キリスト教カウンセリング・センター理事長・大塩光さん 「牧師」の枠を取り払って、一人の人として(前編)

  15. オンライン献金への日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団の対応(前編)

クリスチャンプレス をご支援ください

300円 1000円 5000円 10000円

※金額のご指定も可能です。

金額をご指定

リンク用バナーダウンロード

画像をダウンロードしてご利用ください。

リンクを張っていただいた場合は、ご連絡いただけると幸いです。