「横田めぐみさん帰還のための祈りコンサート」 横田早紀江さん、聖書との出会いを語る

 

「横田めぐみさん帰還のための祈りコンサート──Belive」(主催:Believe、キリスト教会祈りのネットワーク)が7日、単立・久遠(くおん)キリスト教会(東京都杉並区)で開催され、210人が集まった。ユーオーディア・アンサンブルと日韓合同賛美チームが特別賛美をささげた後、横田早紀江(よこた・さきえ)さん(83)が証しを語った。

横田早紀江さん

1977年11月15日の夕方、当時、中学1年生だった娘のめぐみさんが帰宅途中に北朝鮮の工作員に拉致(らち)された。そんなことを知る由もない早紀江さんは、めぐみさんが煙のように姿を消した後、訳のわかない地獄のような苦しみの中に突き落とされたという。

そんなとき、めぐみさんと同学年の子の母親が「ヨブ記を読んでね」と聖書を玄関に置いていった。

「『泣いて苦しんでいるのに、こんなに小さな字の本をどうやって読めるのか』と思ったのですが、何気なく読み始めてみました。すると、『わたしは裸で母の胎を出た。裸でそこに帰ろう。主は与え、主は奪う。主の御名はほめたたえられよ』(1:21)という言葉に愕然(がくぜん)とさせられたのです。『与えるのも取られるのも主だ』という神様とはどんな方で、何を考えているのかと思いながら、夢中になって読みました。そして、初めて自分というものが本当に小さな者にすぎず、神様は全部のことをご存じなのだと気づかされました」

ユーオーディア・アンサンブルと日韓合同賛美チーム

その後、友人に誘われ、宣教師宅で行われていた「聖書を読む会」に出席したことがきっかけで教会の礼拝にも出席するようになり、84年に洗礼を受ける。「キリスト教なんか分からない」と言っていた夫の滋(しげる)さんも、2017年11月に受洗した。

「めぐみがいなくなる前の夏頃、洗濯物をたたんでいた時にめぐみが、『お母さん、キリストって信じられる?』って聞いたんですね。『お母さんは神仏の神様を信じているから。でも、聖書はすごいことが書いてあると聞いているし、聖書の1冊くらい書棚に置いておかなきゃね。だけど、なんでそんなことを言うの』と尋ねると、『ううん、別に』とニコニコしながら部屋に戻っていったことを強烈に思い出します。すべてがつながっているんですね」

早紀江さんはこれまで1300回を超える講演を行い、ブッシュ、オバマ、トランプの3人の米国大統領とも会って、拉致被害者全員の帰還を訴えてきた。早紀江さんは最後に、「世界中のそれぞれ違った一人ひとりが平和になるために神様は働いてくださっていることに感謝しています」と述べて証しを締めくくった。

左から、ナビゲーターを務めた福澤牧人さん(東京キリスト宣教教会牧師)、斉藤眞紀子さん、横田早紀江さん、牧野三恵さん

この日は、早紀江さんの友人である斉藤眞紀子さんと牧野三恵さんも登壇した。二人は、新潟時代、早紀江さんを「聖書を読む会」に誘い、その後も祈りを通して早紀江さんを支え続けてきた。現在、いのちのことば社(東京都中野区)のチャペルで毎月第3木曜日、めぐみさんの救出・帰還を祈る「横田滋・早紀江さんを囲む祈り会」が行われており、今年で丸19年となる。この祈り会を発足させたのが斉藤さんと牧野さんだ。転勤族のため、それぞれ新潟から違う場所に移っていったが、再び東京で3人が出会って、「聖書を読む会」を続けられるようになり、今日まで守られてきた。

集会では一斉に祈りの時間が持たれた。

「めぐみさんの帰還はすべて神様の御旨であり、それには祈るしかない」と斉藤さん。「祈り会」では「31日間の祈り」という小冊子を作っており、「毎月1日の正午に、それを見て共に祈ってほしい」と呼びかけた。

「祈り会」は初めの頃、共に祈り合うだけだったが、次第に牧師が手弁当でメッセージを語ってくれるようになった。牧野さんはこう話す。「横田さんのために始めた祈り会ですが、内容がだんだん変わってきたように思います。祈り会を通して福音が伝えられていくように感じています」

牧一穂さん(リバーサイド・チャーチ岡山教会牧師)

この日は牧一穂(まき・ひとほ)さん(日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団・リバーサイド・チャーチ岡山教会牧師)が次の聖書箇所から説教した。「同じ思いとなり、同じ愛を抱き、心を合わせ、思いを一つにして、わたしの喜びを満たしてください」(フィリピ2:2)

「横田さんの姿は、イエス様が十字架に向かう姿と重なります。めぐみさんのことだけでなく、日本や世界のために祈る姿を見ると、神様がなさろうとすることはこういうことではないかと思わされるのです。私たちが志を一つにするとき、神様は必ず奇跡を起こしてくださいます。母マリアの命がけの従順な姿が、水をぶどう酒に変えました。皆さんと心を一つにし、志を一つにして祈っていきたいと思います」

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