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「戦争の事実に触れ、絵が心に浮かび、気がついたら絵本に」 みなみななみ「絵本で読む平和展」

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みなみななみ「絵本で読む平和展──第五福竜丸、東京大空襲、広島、それぞれの物語」(主催:同展実行委員会)が日本基督教団・銀座教会・東京福音会センターギャラリー・ピスティス(東京都中央区)で開催されている。12日(日)まで。入場無料。

みなみななみさん=9日、銀座教会・東京福音会センターギャラリー・ピスティスで

『信じてたって悩んじゃう』などで知られるイラストレーターのみなみななみさん。今回の展示会では、平和の絵本3部作、『ぼくのみたもの──第五福竜丸のおはななし』(いのちのことば社)、『ヒロシマの少年 じろうちゃん』(ビブロス)、『父の東京大空襲』(自費出版)の原画が並ぶ。

「始まりは第五福竜丸展示館(江東区)に行ったことです。学芸員さんの臨場感あふれる話を聞き、自分も福竜丸と一緒にビキニの海にいた気持ちになりました。展示館から帰った後も、福竜丸が見たであろう情景が心から消えず、その絵を描きました。それをいのちのことば社の方が見て、『ぜひ絵本にしよう』と言っていただき、『ぼくのみたもの』ができました」

1954年に起こった「第五福竜丸事件」を、60年の時を経て、子どもにも分かる言葉とあたたかいタッチで描かれた絵本。そこに描かれているのは、福竜丸と一緒に被爆して、今も普通の暮らしが戻っていないロンゲラップ島。それが福島の原発事故の被害と重なった。

『ぼくのみたもの』の原画。福島とロンゲラップ島で遊ぶ子どもたちが描かれている=9日、銀座教会・東京福音会センターギャラリー・ピスティスで

その絵本の最後では、子どもたちが安心して、のびのびと楽しく遊ぶ平和で幸せな世界と、それを見守る福竜丸が描かれている。福島の桃農園や牧場、ロンゲラップ島の本来の、そして未来の豊かな自然と幸せな様子を願いながら描いたという。

『ヒロシマの少年 じろうちゃん』は、被爆2世のやまだみどりさんが広島の原爆のことを伝えたくて書いた詩に、みなみさんが絵をつけたもの。そのきっかけも第五福竜丸展示館だ。やまださんもそこに行った時、たまたま絵本『ぼくのみたもの』を手に取った。その頃、自分の詩に絵をつけて絵本にしたいと考えていたやまださんは、その絵を見てすぐ、みなみさんに依頼したという。

父の東京大空襲』の原画=9日、銀座教会・東京福音会センターギャラリー・ピスティスで

そして『父の東京大空襲』は、1945年3月10日の東京大空襲を経験した父親の記憶を絵本にしたものだ。みなみさんが子どもの頃、その時の話はよく聞かされていたが、大人になるにつれ聞く機会がなくなっていき、『じろうちゃん』が出版された夏、父親が亡くなった。

「その後、父が記録した東京大空襲の記録を実家から持ち帰り、何十年かぶりに読み返しました。読んでいくうちに、3月10日、火の中をくぐり抜けてどんな夜を過ごしたのか、私もその夜、そこに一緒にいるように感じたのです。それを絵にしないわけにはいかないという思いに駆られ、父と祖母が体験した東京大空襲の絵本を作りました。父の思いを形にする責任が自分にはあるのではないかと思ったのです」

自費出版した絵本は、24ページの小さな冊子だ。みなみさんは、どす黒い赤や橙色しか塗ることができないと思い、あえて色はつけなかった。そこに語られる真実の言葉と優しさあふれるイラストからは、悲惨さ以上に、生かされている人間の愛おしさが感じられる。

展示会場には、その絵本に感動したいのちのことば社の社員が作った拡大パネルが飾られ、この絵本の魅力がよりいっそう伝わってくる。また会場では、絵本を動画にした映像も流されている。

『父の東京大空襲』の動画(ユーチューブ)

みなみさんは、今回の原画展を開催したことについて次のように話す。

「これら3冊の絵本は、『さあ、平和の絵本を描こう』と思ったわけではなく、その事実に触れ、絵が心に浮かび、心から離れず、いろいろなかたちで背中を押されて、気がついたらできていた絵本です。ふらりと会場に寄ってくれた人がここにある絵を見て、第五福竜丸、じろうちゃん、父が見たものを少しでも心に留めてもらえれば嬉しいです」

「絵本で読む平和展」の会場=9日、銀座教会・東京福音会センターギャラリー・ピスティスで

「絵本で読む平和展──第五福竜丸、東京大空襲、広島、それぞれの物語」は12日まで。土曜日は午前11時~午後7時、日曜日は午後1時~午後5時まで。入場無料。問い合わせは、銀座協会東京福音会センター(電話:03・3561・2910)まで。

なお、銀座教文館3Fギャラリーステラでも、みなみななみ展「わんニャンぴぃ」(教文館主催)が同時開催されている。こちらでは、わんこのジョイや子猫や小鳥といった小さな仲間との幸せな時間が描かれた作品が並ぶ。8月27日(月)まで。平日・土曜・祝日午前10時~午後8時、日曜午後1時~午後8時まで。入場無料。詳細は教文館まで。

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2018年11月17日 患難との戦い(フィリピの信徒への手紙 1:12-20)
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兄弟たち、わたしの身に起こったことが、かえって福音の前進に役立ったと知ってほしい。

つまり、わたしが監禁されているのはキリストのためであると、兵営全体、その他のすべての人々に知れ渡り、

主に結ばれた兄弟たちの中で多くの者が、わたしの捕らわれているのを見て確信を得、恐れることなくますます勇敢に、御言葉を語るようになったのです。

キリストを宣べ伝えるのに、ねたみと争いの念にかられてする者もいれば、善意でする者もいます。

一方は、わたしが福音を弁明するために捕らわれているのを知って、愛の動機からそうするのですが、

他方は、自分の利益を求めて、獄中のわたしをいっそう苦しめようという不純な動機からキリストを告げ知らせているのです。

だが、それがなんであろう。口実であれ、真実であれ、とにかく、キリストが告げ知らされているのですから、わたしはそれを喜んでいます。これからも喜びます。

というのは、あなたがたの祈りと、イエス・キリストの霊の助けとによって、このことがわたしの救いになると知っているからです。

そして、どんなことにも恥をかかず、これまでのように今も、生きるにも死ぬにも、わたしの身によってキリストが公然とあがめられるようにと切に願い、希望しています。

(フィリピの信徒への手紙 1:12-20)

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