「デッカンショー♫」の最後の巨人。世界を作ったのは神でなく「意志」である。 

おはようございます。
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◆1788年2月22日 ショーペンハウエルの誕生日

兵庫県にデカンショ節という民謡がありますが、世の大学の哲学科ではよくこの歌が歌われます。「デカンショ」というのはもともとの民謡では「出稼ぎに行こう」という意味だと言われていますが、哲学科の学生には別の意味があります。それは「デカルト、カント、ショーペンハウエル」です。哲学を学ぶには欠かせないこの三人の哲学者をまとめて「デカンショ」と呼ぶんです。そして今日はその「デカンショ」の一画である、アルトゥール・ショーペンハウエルの誕生日です。

正直なところ、デカルトやカントに比べると地味な感じのする方で、教科書での取り上げられ方も、この二人に比べると少ないです。しかしそれは日本の教科書でのこと。なぜならショーペンハウエルは、簡単にいえばそれまでのヨーロッパのキリスト教ベースの世界観に、仏教ベースの世界観を持ち込んだ人だからです。ですから日本人には比較的、受け入れやすいですし、同時に「特に大きな衝撃もない」ような感想を抱かれがちなんですが、ヨーロッパの人にとっては大きな衝撃だったんです。キリスト教では神様が世界を作り、そこに人が生まれ人の意志が生じる、と考えますが、ショーペンハウエルはこれを逆転させて、先に人の意志があり、その意志の「表象」として世界が現れるのである、と考えました。そして、それ故に「生きることは苦である」「そこから脱するには諦めが必要」と、ブッダさんと同じようなことを言いました。「世界は神様が作ったんだから基本的に良いものである」と考えるキリスト教とは好対照です。

・・・と、難しい話になってきましたが。近年、スティーブ・ジョブスさんとか、欧米の方でも東洋思想を好む人が増えてきましたが、その先駆けとなったのがこのショーペンハウエルさんだと言えるかもしれません。この思想の影響を受けて、「神は死んだ」で有名なニーチェさんが出てきたりもするのです。
それではまた明日。

 






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