11月11日「死から命へと移っている」

わたしの言葉を聞いて、わたしをお遣わしになった方を信じる者は、永遠の命を得、また、裁かれることなく、死から命へと移っている。(ヨハネによる福音書5章24節)

ヨハネ福音書には「死」と「命」、「死ぬ」と「生きる」という対の言葉が多い。「死」とは肉体が消滅する生物的な死だけを意味しない。人間は死ねば消滅する肉体だけの存在ではなく、 霊的な存在であるからである。「塵(ちり)は元の大地に帰り、霊は与え主である神に帰る」(コへレト12・7)。

人間は他者との交わりを求める存在である。ゆえに愛を求め、これが満たされなければ孤独である。人間は自由意思で他者に応答し、他者との関係を築き、その行動に責任を持つ人格的存在である。何よりも人間は神に応答すべき霊的存在である。にもかかわらず、神に応答しないことが「罪」であり、神との関係を失っていることを「死んでいる」と言う。

しかし、人の死を望まない神は御子(みこ)イエス・キリストによって、永遠の命に生きる道を開いてくださった。イエス・キリストの福音を信じ、罪を悔い改めて神に立ち帰る者は、罪を赦(ゆる)されて神との交わりを持つ 。今日の聖句のように、罪によって死んでいた者が、死から命に移される。それは肉体の死によっても消滅しない永遠の命である。この世の闇に勝利する永遠の命である。主イエスの言葉を聞いて、主イエスを遣わされた神を信じる者は、信仰と希望と愛に生きるようになる。「わたしたちは知っています。神の子が来て、 真実な方を知る力を与えてくださいました。わたしたちは真実な方の内に、その御子イエス・キリストの内にいるのです。この方こそ、 真実の神、永遠の命です」(Iヨハネ5・20)

 






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