西川重則さん「侵略と加害の歴史を繰り返さないために」 第3回戦争に関する証言集会

 

第3回「戦争に関する証言者集会」(日韓教会協議会主催)が9月14日、日本基督教団・新宿西教会で行われ、西川重則さん(日本キリスト改革派・東京教会名誉長老)が講演した。

西川重則さん=9月14日、日本基督教団・新宿西教会で

西川さんは戦時中、海軍飛行予科練習生(予科練)として入隊。徳島の航空隊に所属していた時に終戦を迎えた。その後、遠縁にあたる女性からキリスト教雑誌を渡され、それを読んでいるうちに、だんだん聖書に関心を持つようになった。しかし、西川さんの住む小さな村にクリスチャンがいるわけでもなく、聖書のことをそれ以上聞くことはできなかった。

やがて上京して、日本キリスト改革派・東京恩寵教会に通い始めた。多くの人が洗礼を受けるクリスマスを前に、「クリスマスまで待てない。早く洗礼を授けてほしい」と一人だけ先に受洗した。西川さんはこの日のことを、「私の生涯で、言葉に言い表せないほどの喜びを感じた」と語る。

「クリスチャンとしてあるべき姿とはどんな姿だろうかとまず考えました。そして、『二度と戦争をしない、させないために何をしたらよいか』と考えた時に、『戦争は国会から始まる』という結論に至ったのです。それからは、国会がどのように動いているかを自分の目で見て確認して、声を上げていくことが、自分のすべきことだと思うようになりました」

西川さんは1999年の通常国会以来、19年間、休むことなく国会傍聴を続けている。その理由について、以前「百万人の福音」誌でこのように答えている。

「私が国会傍聴をするのは、楽しいからとか好きだからという理由ではない。そこには若い時代に受けた心の痛みと、国のあり方や戦争についての疑問が深く根付いているからにほかならない」

西川さんの兄は、20歳の時に徴兵検査で甲種合格。ただちに南方の戦地へ派兵された。出征するときに兄は、「国のお役に立てる」と喜び、出ていった。そんな兄の姿を見て、「いつか私も兄のように戦争に行って国のお役に立ちたい」と憧れすら抱いていたという。

終戦を迎え、戦地から引き揚げてくる兄を待ち望んでいたが、一カ月後、家族のもとに届いたのは、「ビルマ南方方面で戦病死」という知らせだった。母親は号泣し、家族全員が悲しみに暮れた。24歳になっていた兄は、出征前に愛する女性と出会い、帰国後に結婚する予定だった。

2015年9月19日未明、西川さんは、「戦争は国会から始まる」と明言した自身の言葉を目の前で再確認することになった。安保関連法が強行採決によって参院本会議で可決・成立してしまったのだ。西川さんの次の懸念は憲法改正だ。

「日本がどんどん戦争に向かって悪い方向に進んでいます。何としてもこれは止めなければなりません。その思いの原点は兄の存在です。兄は戦争さえなければ、結婚もできたはずです。

戦争へと向かい、それを許したのは当時の国民であり、政府でした。戦争は国会から始まります。良い法律の下では戦争は起こらないはずです。『戦争をしてもよい』という法律ができれば、戦争が起きます。絶対にこれは止めなければなりません。私は兄のことを思い起こし、今の活動を続けているのです」

国会開会中の西川さんの日課は、朝早く起きて、日本の平和のために祈り、聖書を読んでから国会に出かけることだ。

「『平和をつくり出す人たちは、さいわいである』(マタイ5:9、口語訳)は、私の好きな御言葉の一つです。『平和をつくり出す人』とは誰のことでしょう。それは私たち一人一人なのではないでしょうか。これは、イエス様が私たちに送った大切なメッセージです」

講演中、何度も「戦争は絶対にしてはならない」と力強く語り、聴講者に訴えた。

西川さんは91歳になった現在も、「キリスト者遺族の会」「NCC(日本キリスト教協議会)靖国神社問題委員会」など、9つの団体に関わり、そのいくつかで代表を務めながら、全国で講演活動を行い、靖国神社のツアーなどの案内をしている。すべては「平和をつくり出すため」だ。

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