「自分を見ていたら、悩むしかない。目をイエス様に」【インタビュー】大嶋裕香さん(2)

 

大嶋裕香(おおしま・ゆか)さんの著書『神に愛された女性たち──西洋名画と読む聖書』(教文館)が刊行された。大嶋さんはキリスト者学生会(KGK)の総主事・大嶋重徳(しげのり)さんの妻で、一男一女の母であり、セミナー、講演、執筆活動を行っている。2回目の今日は、これまでの信仰の歩みについて聞いた。

大嶋裕香さん=26日、日本聖書協会(東京都中央区)で

──『神に愛された女性たち』には、ご自身のことも反映されているように感じました。どのように信仰に導かれたのですか。

私が小学1年の時に母がイエス・キリストに立ち返り、その1年後に父が救われました。その時から家族で教会に行くようになり、私も小学3年から教会学校に通っていました。でも、いろいろあって高校時代には教会に行かなくなったのですが、大学受験をきっかけに再び教会に戻りました。

大学に入学した時はまだ求道中だったのですが、「クリスチャンの友達がほしい」と思い、キリスト教のサークルに入りました。それがキリスト者学生会(KGK)との出会いです。

当時、1年生だけで10人くらいいて、その人たちや先輩たちと聖書を学び、触れ合うことを通して、私は神様を信じる決心し、大学1年のクリスマスに洗礼を受けました。ですから、私にとってKGKの存在はとても大きいのです。

──教会に再び戻ったのはどうしてですか。

中学の時、あることがきっかけで親友との仲がうまくいかなくなり、そのことが負い目になって、人間関係で失敗することをいつも恐れていました。そのため高校でも最低限の友達だけで過ごし、行きたい大学を目指して勉強はするという、何か偏った生活を送っていました。当時は教会にも行っていなかったので、どんどん心が暗くなりました。

大学受験を目前にした時、「その生き方で本当にやっていけるのか」と悩みが膨らみ、不安で眠れない日々が続きました。その苦しみの中で、小さい頃に覚えた暗唱聖句(「小さい事に忠実な人は、大きい事にも忠実であり」〔ルカ16:10、新改訳〕や「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された」〔ヨハネ3:16、同〕)を思い出し、「教会に行かなければならない」と思ったのです。それで、高校3年の途中から再び教会に行き始めました。もちろん、その背後には、両親や教会の方々の祈りがあったと思っています。

──洗礼を受けて、どのようなことが変わりましたか。

教会に戻るまでは「自分は自分のやりたいように生きる」と思っていたのですが、それが崩れていきました。求道を始め、洗礼を受けた時に、「これからは自分の力で生きなくてもいい」、「私の人生の全部を神様が責任を負ってくださる」とすごく安心したのです。それまでは、勉強にしても、人間関係にしても、自分で頑張らなくてはいけないと思っていたのですが、イエス様を信じてからは、サマリヤの女が命の泉を得たように、平安の泉が自分の中からこんこんと湧(わ)いてきました。

ただ、洗礼を受けた後、すべてのことがすぐに変わったわけでもありませんでした。その後も罪に悩み、信仰について葛藤がありました。そんな中、ある集会で、「目を開けて主の栄光を見よ」という賛美を歌っていた時、「目を開けて」という歌詞が飛び込んできて、「イエス様だけを見ていればいいんだ」と心に閃(ひらめ)いたのです。「これまでは自分を見ていたな。自分を見ていたら、悩むしかない。目をイエス様に向けよう」と思ったのです。その時から自分の心が自由になり、解放され、クリスチャンとしての喜びが湧いてきました。

自分を見ていたところから、イエス様を見つめる眼差しに変わったというのが、自分の信仰の転換点だと思っています。「サマリヤの女」や「一人の罪深い女」のところでも書きましたが、イエス様だけを見つめて、イエス様の言葉だけを聞くとき、イエス様の謙遜(けんそん)や柔和を学ぶことができ、それは女性にとって幸せなことだなと強く感じています。

──ご自身の信仰の骨格は何だと思いますか。

イエス様と出会った喜び、自分が変えられた喜び、「自分で自分の人生を生きなくてもいい」という喜びです。イエス様を喜ぶことが自分の喜びなんだと。イエス様に出会うまで、私の人生は暗かった。でも、イエス様を信じてから、喜んで楽しんで生きるというのが私の人生のテーマになっています。

夫が「裕香の自然な姿は喜んでいることだよね」と言ってくれたことがあって、すごく嬉しかった。それは、イエス様が私を知ってくださっているように、結婚生活で夫に知られている喜びです。そこには自由と解放があります。夫との出会いも、私を変えたと思います。(つづく

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