クリスチャニティー・トゥデイ

【CHRISTIANITY TODAY】牧師の自殺──私たちが知っておくべき3つのこと(後編)

 

どこに助けを求めるのか

牧師にとってうつ病などが重荷になる二つめの理由は、多くの牧師がどこに助けを求めればいいかを知らないことだ。

私は元フルタイムの牧師で、現在も牧師に関連した仕事に従事している。そういう立場からすると、苦しみのただ中にある人々の声を理解することはできる。その一方で、その声の主が関係している精神的な病や希死念慮の問題に対して、自分は十分に対処できるだろうかと感じることもよくある。あなたと同じように私も、牧師に必要な援助を提供している専門家や団体と協力関係にある。希望的観測だが、牧師が奉仕するほとんどの地域にもそういったサービスは存在するのではないだろうか。

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As a former full-time pastor whose work now often focuses on pastors, I understand the calls in the midst of the struggle, but often I feel ill-equipped to deal with the calls that surround issues of mental illness or suicidal ideation. Like you, I partner with agencies and entities in my community that can offer pastors the help that they need. And hopefully, most communities where pastors serve have such services available.

WHOによる人口10万あたり自殺率(年齢標準化)

それなのに私は、遠く離れた牧師から相談の電話を受けることが時折ある。彼らのまわりには誰も助けてくれる人はいないのだろうか。なぜこのような事態になってしまったのだろう。ほかにも、沈黙のうちに苦しみ、助けを求めて手を差し出すのが怖くて、電話をかけることさえできない教会のリーダーがいるのではないか。

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Yet, I sometimes get calls from pastors a thousand miles away who have nobody—it seems—to help them. I wonder how this has happened. I also wonder about those who are ministry leaders who don’t make the call, who suffer in silence, afraid to reach out.

その理由の一部は、牧師がしばしば「助けを必要としない人」と見なされることがあるだろう。彼らは助けを提供する立場にあり、助けを必要とする立場にはない。しかし、目に見えないところで苦しみ、どこに助けを求めたらいいのか分からない牧師たちがいるという厳しい現実があるのだ。

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This is, in part, because pastors are often seen as those who do not need help. They’re the ones who provide the help, not the ones who need it. Yet the harsh reality is that behind that curtain are pastors who are struggling and don’t know where to turn.

神がすべてを解決するわけではない……、まだ

最後の理由は、福音における聖霊の満たしに関する誤解だ。これはたいへん危険な考え方なのだが、「ボーン・アゲイン(新生)を体験し、聖霊に満たされて歩めば、うつ病や精神的な病との戦いや苦しみなどの現実的な苦労は消えてなくなる」という教えが広められている。

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Finally, in part this is a misunderstanding of the gospel and the filling of the Holy Spirit. There is a perception, and a deeply dangerous one at that, that teaches that once we’ve been born again or are walking in the fullness of the Holy Spirit, the very real challenges of depression, of psychological struggle, of spiritual difficulty, of mental illness, cease.

それは嘘(うそ)だ。そして、それを信じると、私たちは危険な前提を持つことになる。私たちは、「助け手となった牧師には助けは必要ない」と考える。と同時に多くの牧師は、「もし教会員に苦しみを知られると、牧師としての立場がなくなり、宣教が効果的でなくなる」と感じる。私がこれまで何度も書いたとおり、この不名誉さは確かに存在する。そのことは見過ごされがちだ。

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This is a lie. And when we believe this, we make dangerous assumptions. We believe pastors, having become helpers themselves, do not themselves need help. At the same times, pastors often feel that if they let on they are struggling that their churches will think less of them and their ministry may become less effective. Indeed, there remains a stigma, one I’ve written on many times, but that is often forgotten.

OECD各国の人口10万人あたり標準化自殺率。ピンクがOECD平均、オレンジが日本。

自殺したジャリッド・ウィルソンについてツイッターに投稿した後、次のような質問を受けた。これは、この問題についてよく聞く質問だ。「牧師が自らの希死念慮について教会の主要メンバーに打ち明けたら、その牧師のミニストリーは終わりだと思いますか」

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After I tweeted about Jarrid, I received the below question, which is often asked concerning this issue: “If a minister confides to leaders in his church that they are contemplating suicide, do you think their ministry is over?”

「それは教会による」と私は答えた。残念なことだが、多くの教会はその牧師を「資格がない」と見なすだろう。私たちは皆、そのことを知っている。

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I responded that it depends on the church. Unfortunately, we all know that would be disqualifying a lot of churches.

ジャリッド・ウィルソン

ジャリッド・ウィルソンはただの牧師ではなかった。彼はメンタルヘルス問題についての識者でもあった。多くの識者は、自らもその戦いを経験している。すべてのケースがそうだとは限らないが、自らも痛みの経験を持つことで、同じように苦しむ人たちに対する思いやりや共感を得ることは、しばしばあることだ。

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Jarrid Wilson was not just a pastor, but he was actually an advocate in and around issues of mental health. Often, those who advocate have struggled themselves. That’s not always the case, but hurt often gives us a compassion and an empathy for those who struggle with similar issues.

私は、ジャリッドが思いやりを持ち、他の人たちに手を差し伸べてきたことに深く感謝している。私たちはライフウェイ・リサーチでの仕事などで、メンタルヘルスについて、また彼自身が持っていた願いについて話し合う機会があった。その願いとは、「牧師や教会リーダーが日々の生活の苦しみを乗り切ることができるように助けたい」という願いだ。彼は「Anthem of Hope(希望の賛歌)」という非営利団体を設立していた。

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I’m deeply thankful for Jarrid’s compassion, and that he reached out to others. We talked on several occasions in and around our work at LifeWay Research about mental health and his own desire to help pastors and leaders make it through the struggles of day-to-day life. He founded a non-profit, the logo of which I used as the header for this article, called Anthem of Hope.

昨日、ジャリッドは自らの命を絶った。

彼自身、「自殺は正しい方法ではない」と自らに言い聞かせたに違いない。それは多くのものを置き去りにする。しかし私は、ジャリッドがやったことを「間違いだ」とは書かない。私は、「ジャリッドが元気だった時に教えてくれたことを行う必要がある」と言いたい。

いま、彼のウェブサイトにはこう書かれている。

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Yesterday, Jarrid ended his own life.
Jarrid would have told himself that suicide was never the right call. It leaves many behind. But I don’t write to say what Jarrid did was wrong. I write to say we need to do what Jarrid told us to do on his best days.
On his site right now, it says,

9月は自殺予防月間。みんなに「あなたの命には価値がある」と知ってほしい!……神があなたを愛していること、命の大切さ、そしてあなたの人生にはこの世界でなすべき目的があることをみんなに知ってほしい。希望はここにある!

そのとおりだ。

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September is #SuicidePrevention month, and we want everyone to know that #YourLifeMatters!… We want everyone to know that God loves you, life matters, and you have a purpose in this world. Hope is here!
He is right.

ならば、私たちには何ができるのか

私たちにできるのは、まず悲しむことで、私たちはすでに悲しみの中にある。第二に、私たちは遺族の助けになることができるし、それは私たちが向き合うべきことだ。第三に私たちは、自分たちの教会で牧師や聖職者、教会指導者などが精神疾患に苦しんでいることを認識する必要がある。

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First, we can grieve, and we do. Second, we can help his family, and we should. Third, we must aware of the struggles of mental illness that exist among pastors, clergy, church leaders, and many in our churches.

第四に、あなたがいま苦しんでいるのならば、助けを求めてほしい。助けを求めることを恥ずかしく思わないでほしい。絶望に私たちを呑(の)み込ませてしまってはいけない。たとえ痛みや傷の中にあっても、隣人を助けるために神が私たちを用いてくださるよう、神を信頼する力を焦らず見いだしていきたい。

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Fourth, for those who struggle, let’s seek help and be unashamed and unembarrassed to seek out that help. Let’s not let despair take ahold of us, but instead, may we—even in the midst of our pain and hurt—find the strength for one day at a time to trust God that he might use us to help others.

第五に、ジャリッドが始めたことを続けよう。ジャリッドのことを思い返して寂しく思うことはあるだろうが、彼が残したことは続いていく。私たち教会は、「舞台裏では牧師は不完全」(それは恥ずべきことではない)という事実を明確に語る必要がある。そして、助けを求めることができるミニストリーや場所があることを語り、「本物の信仰生活は、うつ病や精神疾患などの苦しみを克服させる」という誤解を最終的に乗り越えるべきだ。

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Fifth, let’s continue what Jarrid began . Jarrid will be missed, but his legacy will continue. We, the church, must speak more clearly about the fact that pastors are imperfect behind the curtain (and that’s okay), that there are places and ministries where we can turn, and that we must ultimately overcome the misunderstanding that an authentic Christian life somehow frees one from depression, mental illness, and struggle.

そして最後に私たちにできるのは、苦しむ人にとって教会がより安心できる場所になるよう務めることだ。

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Finally, we can work to make the church a safer place for those who struggle.

先ほど紹介したツイッターにコメントをした人は、私にこう返信した。

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My Twitter friend I mentioned above wrote me back, saying,

教会が牧師をスタッフか主任牧師として迎えるとき、「私たちを気遣ってくれるあなたがもし問題を抱えた時には、私たちはこういうやり方であなたを助けると約束する」と言うことができれば、それは素晴らしいことではないでしょうか。

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Wouldn’t it be great if a church could tell a minister coming onto a staff or a long time minister, “This is how we promise to care for you if you are in trouble, because you are caring for our people.”

確かにそのとおりだ。もしあなたが苦しみを抱え、自傷行為を考えてしまう時には、誰かに助けを求めてほしい。今すぐに。ホットラインに電話してください。今すぐ。あなたは独りではない。

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Indeed it would. If you are struggling, or contemplating self-harm, reach out to someone. Now. Call the hotline. Now. You are not alone.

ジャリッド、君のことを思い返して寂しく思う。君が教えてくれたことを私たちが引き継ぐことができるよう願っている。

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Jarrid, you will be missed. May we take up the mantle of what you taught us.

執筆者:エド・ステッツァー

本記事は「クリスチャニティー・トゥデイ」(米国)より翻訳、転載しました。翻訳にあたって、多少の省略をしています。

出典URL:https://www.christianitytoday.com/edstetzer/2019/september/pastor-dies-by-suicide-three-things-we-all-need-to-know.html

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