バチカンの性的虐待対策会議 教皇が「総力戦」を訴え、閉会

 

「教会における未成年者の保護」をテーマとする異例の会議がローマ教皇庁(バチカン)で21日から4日間、開かれた。会議には、130以上の国のカトリック司教協議会会長などが招集された。世界各地の教会で聖職者による児童への性的虐待が相次いで発覚し、教会への不信感が高まっている事態を受けて、教皇自身がこの会議の開催を決めた。

10万人当たりの子どもの性的虐待率、2010〜2012年(グレー:国によって提供されていないデータ)

24日の閉会ミサで、教皇フランシスコは次のように述べた。

「教会が目指すべき目的は、虐待され、搾取され、忘れられた子どもの声を聞き、見守り、保護し、世話をすることです。

未成年者の性的虐待は、あらゆる文化や社会で広く見られる現象です。私たちは普遍的な問題に直面しているのです。

この世界的な現象は、教会ではさらに重大なスキャンダルになっています。それは、教会の道徳的権威や倫理的信頼性とまったく相いれないからです。

教会が虐待について沈黙したり、真剣に扱わなかったりすることが決してあってはなりません。

未成年者への虐待に対して、すべての人が参加して総力戦をすることを、私は心から訴えます。私たちは、この地球上から消し去らねばならない卑劣な犯罪と対峙(たいじ)しているのです。これは、家庭や社会で隠されている多くの被害者からの要請なのです」

会議では、虐待被害者が証言する映像も流された。アフリカ出身の女性は、10代の頃に神父から何年も性的虐待を受け、妊娠中絶を3回もしたという。またアジア人男性は、100回以上暴行されたと訴えた。

 






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