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有名建築家が手がけた「近代モダニズム建築」日本基督教団・西条栄光教会の牧師館 完成見学会

投稿日:2018年11月23日 更新日:

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日本基督教団・西条栄光教会(愛媛県西条市、古谷健司牧師)の67年前に建てられた牧師館(木造2階建て、延べ床面積141・59平方メートル、幅7・3メートル、奥行き11メートル)を保存するための改修工事が終わり、23、24両日に完成見学会が開かれる。

日本基督教団・西条栄光教会の牧師館

有名な建築家が手がけた貴重な「和洋折衷の近代モダニズム建築」(現在、国の登録有形文化財へ申請中)を後世に残そうというプロジェクトの第一弾。続いて、幼稚園園舎の再生保存も計画中だ。昨年5月に工事を開始し、耐震化対策をはじめ、建物を解体せずに移動する曳家(ひきや)作業など、大がかりな工事が行われてきた。従来の部材を可能な限り活用し、後に入れられたアルミサッシを木製に戻す一方、水回りの設備などは新しくした。

教会は、水堀で囲まれた旧西条藩陣屋跡の堀端に建っている。会堂や牧師館、西条栄光幼稚園園舎を設計したのは、岡山県倉敷の建築家、浦辺鎮太郎(うらべ・しずたろう、1909~91年)。

1909年、岡山に生まれた浦辺は、京都帝国大学建築学科を卒業後、倉敷レイヨン(現クラレ)に入社し、大原美術館分館を設計。62年、同社社長である大原総一郎(晩年、カトリックの洗礼を受けた。父親は大原孫三郎。石井十次の影響を受けて受洗し、日本基督教団・倉敷教会を設立した)の庇護(ひご)のもとに倉敷建築研究所(現・浦辺設計)を設立し、2年後、建築家として独立。大原の構想する倉敷の町づくりを支え、倉敷アイビースクエアなど、大原家や倉敷に関連する建築など、多くの作品を残している。この西条栄光教会は、倉敷レイヨン在職中の51年に設計したもの。

柳宗悦(やなぎ・むねよし)の感化を受けた民芸家で倉敷民藝館の初代館長、関西学院大学神学部を卒業した外村吉之助(とのむら・きちのすけ)の助言により、民芸風の様式に設計されている。また、当時では珍しい吹き抜け構造も取り入れられた。牧師の生活空間と信者との交流空間を兼ね備え、回遊性を持たせながら、互いの動線が交わらないよう、部屋などの配置も工夫されている。

西条栄光教会は初代牧師、戒能団平(かいのう・だんぺい。戒能信生氏は長男)によって設立された。48年から始まった西条倉レ聖書研究会を源流とし、翌年に初めての礼拝が倉レ択善寮で行われ、51年、現在地に会堂が完成した。

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雜賀信行(さいか・のぶゆき)

雜賀信行(さいか・のぶゆき)

「クリスチャン・プレス」編集長。カトリック八王子教会(東京都八王子市)会員。日本同盟基督教団・西大寺キリスト教会(岡山市)で受洗。1965年、兵庫県生まれ。関西学院大学社会学部卒業。90年代、いのちのことば社で「いのちのことば」「百万人の福音」の編集責任者を務め、新教出版社を経て、雜賀編集工房として独立。2001年からキリスト新聞社をはじめ、キリスト教出版社を中心に書籍や雑誌の編集を数百冊手がけてきた。著書に『人生が変わる聖書のことば60』(いのちのことば社)、『牧師夫人新島八重』『キリシタン黒田官兵衛』『宮沢賢治とクリスチャン』などがある。

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