【あっちゃん牧師のおいしい話】第2回 天国のどんぶり

皆さんこんにちは!
今回も「おいしい話」のはじまりです。しばしお付き合いのほどをよろしくお願いいたします!

あれは僕が神学生、つまり牧師になるための学びをしていたときのことでした。牧師になりたいという希望をもっていたある方に、晴れて神学校に行くことが決まったそのお祝いにと、ランチをご馳走しますよとお誘いしたことがありました。もう20年近く前の話です。

その方に「何が食べたいですか?」と聞くと、「天国のどんぶりが食べたいです!」とのリクエストがありました。天国のどんぶり???グルメ漫画と実地訓練で見聞を広めつつ舌を鍛え、多少はめずらしい料理を知っている僕でも、そんな料理は聞いたことがありません。そのお店に連れて行ってもらうことになりました。

ランチ当日、駅で待ち合わせをしていると、その方がご自分の教会の牧師とふたりでやってきました。「二人または三人が私の名によって集まるところには、私もその中にいるのである」(マタイによる福音書18章20節)の言葉どおりに、天国の主人・イエス様と一緒に天国のどんぶりをいただくために向かった先は・・・。

大手チェーンの天丼屋さんでした。なるほど、天国のどんぶりか。その方のネーミングセンスは相当なものです。早速お店に入って三人が同じ天丼を頼み、舌鼓(したつづみ)を打ちながら会話もはずんで、楽しいランチタイムが終わりました。ご馳走しますよと言いながらも、結局お金を出してくれたのは牧師さんでした。なんと申し訳の無く、しかし貧乏学生の僕にはありがたかったことか・・・。

そんなことがあって、僕はその頃からなにか美味しいものに巡り合うと、「天国の味」という言葉を使うようになりました。うーん、これは天国の味であると、神様に断りなく勝手に認定してしまうのです。もちろん、僕が認定した天国の味のひとつに、天丼も含まれているというわけです。

天丼。ご存知の通り、どんぶり飯の上に香ばしく揚げて甘辛いタレにくぐらせた天ぷらを盛り付けて出された、江戸(東京)発祥の料理です。ファストフードの走りのような食べ物ですが、江戸時代の終わりから明治時代のはじめにかけて、庶民の味として、天丼を出すお店が次々と登場したようです。

わたしの大好きな天丼を出すお店も、明治時代の創業とのこと。なにかの節目に自分へのご褒美という大義名分を引っさげて、お店を訪ねます。お店のなかは天ぷらのなんともいえない香りがただよっているではありませんか。お茶をすすりながら小皿に盛られた漬物に七味をパラリとかけて待っていると、いよいよ天丼の登場です。

海老・穴子・その時によって変わる白身の魚・海老と小柱のかき揚げ・れんこん・季節の野菜の天ぷらが、これでもかとどんぶり飯の上にひしめき合っています。しかもそれらの天ぷらが仲良く共存し合いながら、どんぶりの上に収まっています。まさに見た目も香りも、そして味も天国。そして、完食した僕の心もお腹も満足して気分までも天国。まさに「天国の味・天国のどんぶり」というわけですが、ある日その天丼をいただいているときに、ふと「あの聖書のことば」を思い出してしまったのです。

水の中に住むすべてのもののうち、食べることができるのは次のとおりである。水の中、すなわち海や川の中にいて、ひれとうろこのあるものはすべて食べることができる。しかし水に群がるものや、水の中に住むすべての生き物のうち、海や川にいても、ひれやうろこのないものは、あなたがたにはすべて忌むべきものである。あなたがたには忌むべきものであるから、その肉を食べてはならない。その死骸は忌むべきものとしなければならない。(レビ記11章9~11節)

ガーン。かつて神様がモーセを通して人々に与えた律法のことばのなかに、「ひれやうろこのない水生動物」は食べてはならないという規定がありました。つまり、エビなどの甲殻類やアナゴのようなうろこの無い魚、貝類がそれに当たるわけです。つまり、この天丼の具のおおよそ半分は、時代が時代ならばモーセの律法に抵触してしまうではありませんかと、あれこれ想像してしまったわけです。

でも、律法の完成者であるイエス様が救い主となってくださった今、もう心配はご無用です。海老も穴子も貝柱も、神様がくださった恵みの食べ物として与えてくださっているのですから。堂々と、そして感謝していただけるようになったのも、まさにイエス様のおかげです!

そして、こんなことを思ったのでした。いろいろな具材がどんぶりのなかでひしめき合いながらもバランスよく盛り付けられていて、食べる人の心も体も喜びに導いてくれる天丼の姿こそ、僕たちがイエス様によって導かれようとしている「天国」の姿なのではないかと。

まさに天国のどんぶり、ここにあり!
あっちゃん牧師の「おいしい話」。また次回もお付き合いのほど、よろしくお願いいたします!

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