【あっちゃん牧師のおいしい話】第6回 お酒と聖書の話 齋藤篤

皆さん、こんにちは。あっちゃん牧師の美味しい話も、今回で6回目のお届けとなります。どうぞお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

前回のコラムではオリーブオイルのことをご紹介しましたが、そのコラムのなかで、聖書とはオリーブオイルがぶどう酒とセットで、しばしば取り上げられていることを書きました。ということで、今回はぶどう酒、つまりワインのことに触れてみたいと思います。

つい最近も、新酒ワインとして知られるボージョレ・ヌーボーが解禁となったニュースが流れました。今年はコロナ禍による影響もあってか、解禁イベントはいつもよりも静かだったとか。でも、この時期の恒例イベントとして楽しみにしているワインファンも多いと思いますので、フルーティーなワインの香りと味を堪能された方も多いのではないかと思います。

やはり、作物の実りを象徴するのが、聖書においてはオリーブオイルとワインだったのでしょう。

私はあなたがたの地に、秋の雨や春の雨など、必要な時期に雨を降らせよう。あなたは、穀物、新しいぶどう酒、新しいオリーブ油を収穫するだろう。
申命記11章14節(聖書協会共同訳)

厳しい乾季が終わり、秋の雨が地を濡らす頃、それは収穫という喜びの季節の到来でもありました。収穫したオリーブの実から新鮮な油を搾り取り、ぶどうの実を収穫して醸造したワインも飲み頃となる頃、すべてを実らせてくださった神への感謝が、そのような初物とともにささげられました。つまり、ぶどう酒はある意味では、神へささげられる対象物としてみなされていた、ということになります。

こうして、ぶどう酒もまた多くある飲食物のひとつとして聖書に描かれ、人々の味覚を楽しませるものでした。ただ、その楽しみが時として、物議を醸(かも)し出す種となったこともまた、聖書が私たちに知らせていることなのです。

ぶどう酒という言葉が聖書で初めて登場する箇所は創世記9章21節ですが、大洪水を経験したノアがぶどう畑の農夫となった後に起きた、唯一のエピソードについて語られています。

あるとき、ノアはぶどう酒を飲んで酔い、天幕の中で裸になった。
創世記9章21節(聖書協会共同訳)

この後にノアの息子たちが父親のそのような姿を見て、すぐさまノアの裸を服で覆ったと記されているほどですから、ぶどう酒を飲んだ結果起きたことは、決して喜ばしいものではなかったと想像できます。

ぶどう酒、つまりワインが人々の心を喜ばせるものである一方で、何事も過ぎたるはなお及ばざるがごとし。酔い過ぎてしまうあまり、自分自身の理性を失ってしまっては、ろくなことが起きないのだと、肝に銘じておくことが大切だなと思わされますね。

世の中からは、クリスチャンは飲酒をしない人たちであると、しばしば思われることがあります。僕はお酒をたしなむのですが、僕が牧師であることを知っている方からは「えっ、クリスチャンもお酒を飲むことがあるのですね」と言われることが結構あります。確かに、クリスチャンとしてお酒をたしなむことを控えておられる方がいらっしゃることも十分承知していますので、そう尋ねられても驚くことはないのですが、僕はこういうときにいつも思わされるのは、これは隣人愛の問題なんだということです。

食べることも飲むこともそうなのですが、それをすることによって愛する人たちの尊厳や大切なもの、ひいては自分自身をも傷つけ、汚す結果になるならば、それは私たちを愛してくださる神のなすことを投げ捨ててしまうことになるのだなと。そんなことを考えても神の愛がなんたるかを理解していない僕たちですから、自他ともに心の底から喜べるようなお酒の楽しみ方ができるように、神の愛を聖書から味わい続けたいものだと思わされるわけです。

最後に、宗教改革者であるマルティン・ルターの言葉を紹介したいと思います。無類のビール好きとして知られている彼ならではのエスプリの利いた名言です。

ビールを飲む者は誰でもすぐに眠くなり、
ぐっすりと眠る者は誰でも罪を犯さない。
罪を犯さない者は誰でも天国へ入れられる。
だから、ビールを飲もう!

お後がよろしいようで。

次回もコラムでお会いできることを楽しみにしています!

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