サーロー節子さんがローマ教皇に謁見 広島原爆の「残り火」を吹き消してもらう

 

2017年のノーベル平和賞授賞式で被爆者として初めてスピーチをしたカナダ在住のサーロー節子さん(87)が20日、バチカンで教皇フランシスコの一般謁見(えっけん)に参列した。広島原爆の「残り火」の火種を移したランプを持参し、「広島や長崎での悲劇を繰り返さないように」との願いを込めて、教皇にその火を吹き消してもらったという。

サーローさんのほかに教皇と謁見したのは、長崎の被爆3世で純心中学1年の岡田夕咲(ゆうさ)さん(13)やユダヤ系米国人やパレスチナ人など、サーローさんが広島で被爆した時と同じ13歳の少女4人が選ばれた。岡田さんが通っている中学(当時、長崎純心高等女学校)では、原爆により生徒や職員214人が犠牲になっている。

原爆の残り火は、福岡県八女市星野村で「平和の火」としてともされ続けているもの。広島の原爆で叔父を亡くした故・山本達雄さんが焼け跡から故郷に持ち帰った。この「平和の火」を国内外で分ける活動を行ってきたNPO法人「アースキャラバン」(京都市)がこの訪問を企画した。

サーロさんは1932年、広島市生まれ。広島女学院高等女学校2年生だった13歳のとき、爆心地より1・8キロ離れた学徒動員先で被爆。48年12月に日本基督教団・広島流川教会で谷本清牧師から洗礼を受けた。

教皇フランシスコは今年11月に来日し、被爆地の広島や長崎を訪れたいとの意向を示している。その時、核廃絶に向けて力強いメッセージを打ち出してくれることをサーローさんは期待しているという。

 






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