礼拝堂でオリジナル・ミュージカル「葉っぱのフレディ──いのちの旅」

 

ミュージカル「葉っぱのフレディ──いのちの旅」(主催:常盤台めぐみ幼稚園)が20日、日本バプテスト連盟・常盤台(ときわだい)バプテスト教会(東京都板橋区)礼拝堂で行われた。

原作の絵本『葉っぱのフレディ』(童話屋)は、葉っぱのフレディが成長し、「葉っぱの仕事」を終えて冬に土へと返っていくまでの物語。子どもから大人まで、「生まれること」「変化すること」が「永遠のいのち」につながる意味を考えさせられ、日本でも120万部のベストセラーになった。聖路加(るか)国際病院理事長だった日野原重明(ひのはら・しげあき)さんがこの絵本のミュージカル化に企画・原案で携わったことでも知られている。

葉っぱのフレディは春、大きな木の太い枝に生まれた。親友の物知りなダニエルをはじめ、大勢の仲間と一緒に春風と踊ったり、夏には木陰を作って人々を休ませたり、秋には紅葉で人々の目を楽しませたりしながら、いのちを謳歌(おうか)する。やがて冬になり、仲間が北風に乗って散っていく中、ダニエルから「死」について初めて教えられたフレディは、「生きる」意味や「いのち」について考える──。

同教会牧師の友納靖史(とものう・やすし)さんは次のように語る。「ヨーロッパのある修道院では『メメント・モリ』という言葉が挨拶(あいさつ)に使われています。これはラテン語で『死を覚えよ』『はじめに終わりを思う』という意味です。限られた人生の中で、若いうちから『人生には終わりがある』ということを覚え、また葉っぱとは違って人間には神の愛により永遠の時が備えられていると知る時、より豊かな人生が送ることができるのではないでしょうか」

今回のミュージカルでは、荒井みいなさんが主宰する劇団「リ・アミーチ・ディ・ミーナ」(イタリア語で「みいなと仲間たち」)に所属する14人の子どもが出演。フレディやダニエルをはじめ、個性豊かな葉っぱたちを生き生きと演じた。

原作にはない登場人物として、大学受験を控えた二人の女子高校生も加わり、原作の世界観はそのままに、オリジナリティーあふれるミュージカルに仕上げられている。また、作中で演奏されるほとんどの楽曲は、今回のステージのために書き下ろされたもので、それを子どもたちが心を込めて歌い、感動を呼んだ。

荒井みいなさん

同教会の教会員で、演出・脚本を手がけた荒井みいなさんに話を聞いた。

「『葉っぱのフレディ』は私自身も大好きで、いつか舞台化させたいと思っていた作品ですが、日野原先生のミュージカルの譜面が世に出回っていないこともあり、あきらめかけていました。

そんなとき、教会のメンバーで、作曲・編曲を手がけてくれた平野義愛(ひらの・よしあ)さんが声をかけてくださったことで、実現することができたんです。すべての歌の歌詞が言葉を大切にして書かれているだけでなく、子どもの音域に合わせてアレンジされていたりと、出演者一人ひとりが輝くように考えてもらいながら、全面的にサポートしていただきました。音楽に携わる者として、とても贅沢(ぜいたく)な舞台でした」

今後もミュージカルを通して「いのちの大切さ」を伝え続けていきたいという荒井さん。

「今回の舞台を観るために初めて教会へ足を運んでくださった方もいらっしゃると思います。こうしたきっかけを通して、教会や、聖書に書かれている神様の愛に触れていただけたら嬉しいですね」

 






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