トーマス・シルマッハー氏、WEA総主事に就任

世界福音同盟(WEA)の総主事兼最高責任者(CEO)をエフライム・テンデロ氏からトーマス・シルマッハー氏に引き継ぐ式典が2月27日に開催された。

トーマス・シルマッハー氏(写真:Christliches Medienmagazin pro)

WEAの国際理事会は昨年10月29日、ドイツ人神学者のトーマス・シルマッハー神学問題担当副総主事を次期総主事兼最高責任者(CEO)として選出。2015年から総主事兼CEOを務めているエフライム・テンデロ氏(フィリピン福音同盟前総主事)の後任として3月1日に就任した。

シルマッハー氏は1960年、ドイツ生まれ。スイスのバーゼル神学大学、ドイツのボン大学、オランダの改革派神学大学、米国のパシフィック・ウエスタン大学で学び、いくつかの博士号を取得。ボンのいくつかの教会で牧師を務め、その地の神学校やフィラデルフィア神学校、ホワイトフィールド神学校、オックスフォード大学などで教えた。2015年から、教皇フランシスコが率いる家族に関するカトリック教会会議の唯一の福音派のメンバーでもあった。16年、英国国教会の司教に叙階。14年以来、国際人権協会国際評議会の会長であり、国際信教の自由研究所の所長を務めている。

シルマッハー氏は就任演説で次のように語った(抄訳)。

世界福音同盟は非常に多様な運動です。1846年に英国国教会の司祭と救世軍が協力してこの働きを始めたとき、人々はそれを不可能だと考えました。今日、私たちはさらに多様化しています。私たちは告白的にはるかに多様になり、民族問題、言語、文化においてはるかに多様になりました。

では、福音派とは何でしょう。

私は一つのことを言うことができます。福音派は決して政治的に一致していません! あなたはこれを世界中で見ることができます。

私にとって福音派であることは、キリスト教のDNAに対する熱意です。キリスト教のDNAの探求でもあります。

私たちはイエスの復活を信じており、聖霊が教会員を満たしたペンテコステを信じています。今、その歴史性に疑問を投げかけ、「それは起こらなかった」、「実際の歴史ではそれが起こる必要はない」と誰かが言う限り、私たちは[福音派として]私たちの信仰の歴史性を支持します。

イエスは父なる神から新しい命を受けました。聖霊は信者たちに降り注ぎました。「それは福音派だから」と言う人もいます。しかし私たちはそう思いません。それを告白的なもの、私たちだけが信じている私たちに特有のものだと考えているからです。むしろそれがキリスト教のDNAだと思います。イエスがしたことと聖霊がしたことにこのDNAはすべてを負っているのです。

聖書に関して言えば、聖書が教会の告白であると深く確信しています。私たちは皆、神の言葉に服従します。その上に誰もいません。少なくとも私たちの信念によれば、聖書の中心はイエスご自身であり、聖書の著者は聖霊です。

それは私たちにとってキリスト教のDNAであり、福音主義です。一部の人々がそれを疑問視する限り、それは私たちに特有のものと見なされるかもしれませんが、私たちはそれがクリスチャンであると信じています。

そして、福音派の中で団結を目指して努力するとき、英国国教会、ペンテコステ、改革派、救世軍、これらすべてのグループを私たちの真っただ中に集めたいなら、私たちはキリスト教のDNAの周りでしかそれを行うことができません。そして私たちは、私たちの運動の外にある他のどの教会に対しても、DNAのそれらの点に参加することを受け入れています。したがって、可能な限り、この世界の他の多くの教会に私たちのビジョンを拡大することを望んでいます。

世界福音同盟(略称:WEA。World Evangelical Alliance)は1846年に設立されたプロテスタント福音派の世界的組織。世界に6億人以上の信者を擁する福音派を代表する最大の国際組織で、9つの地域、140カ国の福音同盟、および150以上の諸団体が加盟しており、日本の福音派の組織である日本福音同盟(廣瀬薫理事長)も属している。

一方、世界教会協議会(略称:WCC。The World Council of Churches )は、主流派のプロテスタント教会や正教会などが属している世界的なエキュメニカル組織。120カ国以上から340を超える教会と教派の会員が所属しており、日本キリスト教協議会(NCC、渡部信議長)もその傘下にある。カトリックも会員ではないが参加している。総幹事だったオラフ・フィクセ・トヴェイト氏が2020年3月に退任し、現在、総幹事代行を務めていたイオアン・サウカ副総幹事が、来年6月に延期された中央委員会総会まで暫定総幹事に任命されている。

 






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