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障がいのある人への「ルターの差別発言」、日本福音ルーテル教会・西教区が見解を発表

 

日本福音ルーテル教会・西教区(京都、大阪、兵庫、岡山、広島、香川、愛媛、島根、山口)は14日、「障がいをもつ人に対する『ルターの差別発言』に関する日本福音ルーテル教会西教区の見解」を発表した。社会部長の沼崎勇(ぬまさき・いさむ)さん(同教団・京都教会牧師)による名義。

(Lucas Cranach l’Ancien)

宗教改革者でルーテル教会の祖であるマルティン・ルターによる差別発言がインターネット上で複数取り上げられていることに対して、ルーテル教会への誤解を解くことがこの見解の目的。その発言は、自閉症と思われる少年を、悪魔に所有された魂のない肉の塊として、溺死させるべきであるとルターが考えたというもの。

ルターの『卓上語録』(ハーバード⼤学叢書第10巻、1827年出版)の中にその発言があり、「知的障がい、あるいは精神障がいのある人は生きるに値しないので、殺したほうがいい」とルターが発言したと伝えられていることは明白な事実だと指摘する。

ただ、『卓上語録』はルター自身の著作ではなく、ルターの弟子たちを通して間接的に伝えられた「ルターの発言」の集成のため、その言葉をただちにルターの真正の言葉と見なすことはできないという。

ルター『卓上語録』

とはいえ『卓上語録』は、障がいのある人への差別や偏見のあった時代に出版され、「ルターも時代の子であり、歴史的制約を受けています」と断った上で、その「差別意識を、ルターの宗教改革の伝統に立つ日本福音ルーテル教会が、今日、どのように批判し、克服していくのか」が大切だと主張。「日本福音ルーテル教会は、ルターの思想を、無批判に受け継ぐのではなく、キリストに対する信仰に立って、現代の脈絡において解釈します」と述べる。

例として、キリストが心の病を患っている大勢の人をいやしたことを挙げ、「いやしとは、単に病気を治すことではなく、人間の尊厳を守ることでもあります」として、教会はキリストに倣って、障がいのある人の尊厳を守ると強調する。

最後に、2016年7月26日未明に知的障害者福祉施設「津久井やまゆり園」で大量殺傷事件が起きたことに触れた。「障がいのある人は生きるに値しないので、殺したほうがいい」、「障がいのある人は不幸せなので、生れてこないほうがいい」という考え方に、日本福音ルーテル教会は徹頭徹尾反対するとして、「私たちは、『障がいをもつ人も、障がいをもたない人も、神の目に価高く、貴い』ということを信じるキリスト者として、すべての人が共に暮せる、優しい社会の実現に、多くの人たちと力を合わせて努めます」と結んでいる。

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