ウクライナの正教会、来年1月の独立に向けて統一 ロシア正教会は反発

 

ウクライナの正教会は15日、首都キエフで主教会議(シノド)を開き、国内で分裂していた教会を統一することを決めた。来年1月6日には、正教会(カトリックとプロテスタントと並ぶ3大教派の一つ)で最も高い権威を持つコンスタンチノープル(現イスタンブール)総主教庁がウクライナの正教会の独立に関する「トモス」(宗教上の決定文書)を交付し、独立を正式に承認する見通し。3世紀にわたってウクライナの正教会を管轄下に置いてきたロシアは激しく反発している。

1991年、ソ連崩壊に伴って独立したウクライナでは、正教会がいくつかに分裂している。ロシア正教会からの独立を求める第1位のウクライナ正教会・キエフ総主教庁(約40%)、ロシア正教会の監督下で活動する第2位のモスクワ総主教庁派(約30%)、ウクライナ独立正教会などだ。その最大のキエフ総主教庁がロシア正教会から独立することを、10月11日、コンスタンチノープル総主教庁が承認した。

首都キエフの聖ソフィア大聖堂(写真:Paweł ‘pbm’ Szubert)

それを受けて、国内各派の聖職者による主教会議が15日、首都キエフの聖ソフィア大聖堂(1037年建立。世界遺産)で開かれ、聖職者や関係者190人以上が出席。教会の統一とロシア正教会からの独立を決めた。新たに統一したウクライナ正教会トップである総主教にはエピファニー主教のセルヒー・デュメンコ氏(39)が選任された。キエフ総主教庁の首座主教であるフィラレート氏(89)の側近だという。

主教会議には、ロシアのプーチン政権と対立するウクライナのポロシェンコ大統領も出席し、統一を歓迎。「新たな教会には、プーチン(ロシア大統領)やキリル(ロシア正教会総主教)、ロシア政府や軍への祈りもない。ロシア正教会に残ることを望む信者と、独立を望む信者双方の選択を尊重し、保証する」と述べた。

一方、ロシア正教会は、ウクライナ正教会の独立承認を不服として、コンスタンチノープル総主教庁との交流断絶を表明。ウクライナのモスクワ総主教庁派の主教に対しても、主教会議への不参加を呼びかけた。その結果、主教90人のうち、会議に出席したのは2人だけで、モスクワ総主教派は今回の統一を拒否している。また、モスクワ総主教キリル1世は14日、国連のグテレス事務総長やカトリックの教皇フランシスコに対して、コンスタンチノープル総主教庁の決定を不当とする書簡を送っていた。

ウクライナは、北東をロシアに接し、南には黒海が位置する東ヨーロッパの国。日本の約1・6倍の面積に4200万人が暮らす。1686年、永遠平和条約によってロシアとポーランドがウクライナを分割し、東部はロシアに併合されるとともに、ウクライナ正教会はコンスタンチノープル総主教庁からモスクワ総主教庁に移された。コンスタンチノープル総主教庁は10月、当時の文書の効力を取り消し、独立への手続きが始まった。

正教会は世界の全キリスト教人口の12%、2億3000万人の信徒がいる。ロシア正教会がその半数を占め、ウクライナはロシアに次いで多く、全世界の正教会の16%(2012年)。

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