ゴスペルで神様の愛を伝えたい 「ワールド・フード・デイ・クロス・ゴスペル」オンラインで開催

「世界食料デー」月間の最終日となった10月31日、「ワールド・フード・デイ・クロス・ゴスペル(WORLD FOOD DAY + GOSPEL)」(ハンガーゼロ、えばらぶ共催)が、大阪、東京、アメリカとそれぞれの地域をつないでオンラインで開催された。終了後には、主催者の一人である白鞘慧海(しらさや・えみ)さんから話を聞いた。

ワールド・フード・デイ・クロス・ゴスペルは、世界食料デー東京大会として、今年で4回目となるチャリティー・イベント。昨年は、お茶の水クリスチャン・センターを会場にノンクリスチャンを含む110人が集まったが、今回は新型コロナウイルスの感染拡大を考慮し、オンラインでの開催となった。

ワールド・フード・デイ・クロス・ゴスペルより。

白鞘慧海さんをはじめ、シャニータ(Schanita)さん、ラトーニャ(LaTonya)さんら国内外で活躍する実力派のゴスペル・シンガーが出演。演奏の合間には、世界の飢餓について考える時間も持たれた。現在世界では、約6億9000万人、11人に1人が慢性的な栄養不足の状態にあることが明かされ、ハンズ・オブ・ラブ・コンゴ代表のジェローム・カセバさんがコンゴの現状について報告した。

その後、京都在住のゴスペルシンガー、ゴードン(Gordon)さんのリードで、カーク・フランクリンの楽曲「アイスマイル」を30人以上の人で歌い継いでいった。そこでは、参加者それぞれの思いがこもった写真も映し出された。最後は、白鞘さんのオリジナル楽曲「R.Y.H.」を合唱する動画で締めくくられた。

ワールド・フード・デイ・クロス・ゴスペルより。

イベント終了後に話を聞いた白鞘さんは、愛媛県出身。大学時代よりシンガー&ソングライターとして活動を始め、1995年、ビクターエンタテインメントからデビュー。NHK「みんなのうた」で「季節は過ぎても」や「Precious Day」がオンエアされ、99年には、しまなみ海道のテーマソングとして「虹の地図」を発表。その後、自身のレーベルを立ち上げ、セルフプロデュースアルバムをリリース。18年には、1st ポップゴスペル フルアルバム「BLOSSOM」が発売された。2002年に洗礼を受け、牧師として教会に仕えながら、ゴスペルアーティストとしての活動を続ける。16年より、昭和音楽大学でジャズ&ポピュラー科で教鞭も執っている。

──今年はオンラインでの開催となりましたが、その経緯を教えてください。

昨年も同じイベントを行い、その時は「また来年」と言っていたのですが、まさかのコロナ禍となり、これはもう中止かなと考えていました。でも、ゴスペルを歌うクリスチャンでない人たちから、何かの形でやって欲しいという声が寄せられて、望んでいる人や、楽しみにしてる人がいるのであれば、それは形にしなければという思いに駆られて、オンラインでやってみようということになりました。

──「アイスマイル」のような構成はオンラインならではですね。

最初は歌っている動画を送ってもらおうかなと思ったのですが、それはちょっと難しいということで、録音できる人は録音してもらって、あとは写真を送ってもらうようにしました。一人で何声か録ってくださった人もいるので、全部で34人分の声となっています。途中、結婚式の写真が出てきますが、あのカップルは、去年のイベントで初めて会って、付き合うようになって、結婚されました。びっくりしましたが、神様が出会わせてくださったのだなと思っています。

参加者から寄せられた写真を次々に配信しながら歌をつないでいった「アイスマイル」。

──オンラインにしたことでの反響はどうですか。

「普段は見ることはできないが、遠くから参加できてよかった」とか、「アーカイブが残るので、今日は見れなかったけれど、明日見ます」などおっしゃってくださる人もいて、さまざまな形で参加できて素晴らしいなと思いました。もちろん生ではないので、臨場感は難しいかもしれませんが、上手にトピックを選んでお届けすれば、広がりがあるのかなとオンラインに可能性を感じています。

──今年で4回目ということですが、このチャリティコンサートを始めたきっかけを教えてください。

クリスチャンになる前から、世界の飢餓、特にアフリカに関心があって、ボランティア的なことをやってみたいという気持ちがありました。そういう思いが根本にあって、2015年にハンガーゼロとの共催で、チャリティー・コンサートの話をいただきました。ちょうどゴスペル・アーティストとして活動を始めた頃で、単独でのコンサートだったのですが、チャリティーで寄付ができるというのは本当に素晴らしいと思いました。その後、食料デー月間の東京大会が少ないというのを聞いて、ちょうど関わっていたゴスペルクワイアの人たちと一緒にコンサートを開けないかと思ったのです。

これはクリスチャン的な思いなのですが、ゴスペルを歌う人たちが救われる入り口になればということが根っこにはあります。ゴスペルを歌うと「満たされる、楽しい」と皆さんおっしゃるので、その流れで神様のことを知ってもらいたいといつも思っています。楽しいことをしながら神様のことを伝えたい。「伝道です!」と声を出しては言いませんが、ゴスペルを好きなこの人たちが、救われたらいいなという思いが根っこにあります。

白鞘慧海さん

──白鞘さんもゴスペルをとおして救われたのでしょうか。

ゴスペルを歌うと、他の歌では得られない高揚感というか、刺さるような思いとか、温かい思いとか、そういったことがあったのは確かですね。ただ、ダイレクトに救いに導かれたわけではありません。教会に誘ってくださった人がいて、教会に行くようになり、聖書を読み、皆さんの祈りによって目が開かれてイエス様を知ることができました。だから、ゴスペルで種をまき、そこから一歩先を目指しています。教会に行ってみるとか、聖書を読んでみるとか、そういうきっかけに私もなれたらと思っています。実は、すでにこのイベントをとおして救われた人もいます。

──コロナ禍で大変な状況ですが、今後のビジョンについて教えてください。

飛沫ということがあるので、歌はかなり厳しい状況です。私も去年は、クリスチャン向けのいろいろなコンサートに呼んでもらったのですが、今年はぱったりその機会がなくなっています。ただ、その分、動画を制作するなど新しいことも始めています。神様はこの状況をきっとご存知で、何か意味があると信じているので、私たちが今あるものを使って、最大限できることをしていきたいと思っています。このような状況下でも、ゴスペルを好きで、歌いたいと思っている人たちを大切にしていきたいです。

 






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