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NHK連続テレビ小説「エール」とキリスト教(1)日本基督教団・福島教会と日本聖公会・福島聖ステパノ教会

 

NHK連続テレビ小説「エール」が3月30日から始まった。「栄冠は君に輝く」(夏の全国高等学校野球選手権大会の大会歌として開会式や閉会式で演奏される)や「オリンピック・マーチ」(1964年の東京五輪開会式の各国選手団の入場行進で使用された)、「六甲おろし」(阪神タイガースの球団歌)など、長年愛されてきた応援歌(エール)を作曲した福島出身の古関裕而(こせき・ゆうじ)がモデルの主人公、古山裕一(こやま・ゆういち)を窪田正孝(くぼた・まさたか)が演じる。

古関裕而(「アサヒグラフ」1955年2月16日号、朝日新聞社)

オープニング(GReeeeN「星影のエール」)映像の一つでは最後に、主人公が教会の中でオルガンを弾くシーンが出てくる。母・まさ(菊池桃子)の故郷である福島・川俣町にある教会という設定だ。少年時代の裕一は、その教会から聞こえる美しい歌声(「いつくしみ深き」讃美歌312番)に導かれて、後に妻となる音(二階堂ふみ)と初めて出会う(第1週)。この教会は、古関の生家近くにあった日本基督教団・福島教会がモデルになっているという。

ありし日の日本基督教団・福島教会(同教会ホームページから)

福島教会(福島市)は、押川方義(おしかわ・まさよし)などの伝道により、1886年(明治19年)に創立された。改革長老教会の伝統を受け継ぐ日本基督一致教会(後の日本基督教会)の教会で、戦時中に日本基督教団に加わった。1909年、W・M・ヴォーリズが日本で最初に設計した礼拝堂が建立されたが(2001年に国の登録有形文化財に指定された)、9年前の東日本大震災で煙突が倒れ、壁面に亀裂が走るなど、大きく破損した。この補修のためには数億円かかるということで、その費用を賄(まかな)うことができず、また放置することも危険であるために残念ながら取り壊され、現在は新しい会堂になっている。

日本聖公会・福島聖ステパノ教会(同教会ホームページから)

そのため、実際に撮影されたのは日本聖公会・福島聖ステパノ教会(福島市)においてだ。この教会堂は、1905(明治38)年に竣工した木造建築。英国人宣教師ウィリアム・スマートの設計で、立教大学校(現在の立教大学)の校長で建築家だった米国人宣教師ジェームズ・ガーディナーの助言を受けたという。

音の実家である関内家が熱心な聖公会の家庭という設定から、立教大学教授で立教学院副院長の西原廉太(にしはら・れんた)さんがキリスト教考証を担当し、脚本へのアドバイスや俳優への演技指導などを行ったという。オープニングで西原さんの名前がクレジットされるのは、第4回(4月2日)、第7回(7日)、第9回(9日)。また、教会に聖歌隊が登場するシーンでは立教大学の聖歌隊が出演するが、その出演日も第4回と第7回だと、自身のフェイスブックで報告した。

NHK連続テレビ小説「エール」とキリスト教(2)ヴォーリズとハモンド・オルガン

NHK連続テレビ小説「エール」とキリスト教(3)「長崎の鐘」と永井隆

NHK連続テレビ小説「エール」とキリスト教(4)古関裕而が聞いた教会の鐘の音

NHK連続テレビ小説「エール」とキリスト教(5)金須嘉之進と「シェヘラザード」

NHK連続テレビ小説「エール」とキリスト教(6)特高ににらまれていたクリスチャン

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